子年にちなんで『MICE』をリメイク(2020.01.01)
さあ、今年もやってまいりました。正月恒例企画「Allegoryリメイクシリーズ」の第11弾です。
ということで、今年も2001年の干支をモチーフにした.KOM@のアルバム『Allegory』の中から、子に位置する『MICE』のリメイクに着手しました。
『Allegory』そして『MICE』って、そもそも何なのか?
もともと、『Allegory(アレゴリー)』というのは、私が在籍している音楽制作集団『.KOM@(ドットコム)』が2001年10月にリリースした2nd Albumです。
でも、どうして、このアルバムが毎年のように年始に登場するのかというと、このアルバムの全12曲(厳密に言うと13曲ですが…)が、それぞれ十二支の干支をコンセプトに作られたアルバムなのです。
ただ、この作品を作り上げたのは、今から実に19年前。大学生だったので、まだお金がなく、十分な機材でレコーディングができず、カセットテープからカセットテープにダビングしながら音を重ねていくという作業で曲を作っていました。
その後、2003年から2004年からPCを使った再レコーディングを行い、Hetakusongシリーズとして発表してきました。それからでも10年以上が経過をし、ソフトシンセもよくなったし、マスタリングの手法も少しは身についてきたということもあり、その当時のレコーディングをした音源を元に、現在のDAWソフトやソフトシンセを駆使して、その年の干支になっている曲をリバイバルしていこうというのが、このシリーズです。
伝説的な一曲でもある『MICE』
その「Allegory」の中で、トップバッターの曲であり、子をモチーフにした曲が『MICE』です。「MICE」とは文字通り、mouseの複数形です。
この曲は、『.KOM@ロックの代名詞』と言われるほど評価の高い名曲で、元々、松本氏が2001年夏にメンバーが再結集する前に、密かに作り上げていた一曲として知られています。その完成度は、当時のレコーディング前からお墨付きがついており、少しでも良い音でレコーディングが行うことが出来るようにと、あえてレコーディング技術が安定してきた2001年9月以降(「Allegory」のレコーディング終盤)にレコーディングが行われたのは有名な話です。
とはいえ、まだまだ未熟だった当時のレコーディング技術。そのため、他の曲にも増して、『Allegory』完成直後から度々プリプロが重ねられており、その結果として、2003年に本格的なレコーディングを開始し、同年10月に4th Singleとしてリリースされた傑作だ。
今回は初のツインギターでのリメイクを実施
今回のリメイクの一番の聴き所は、なんと言ってもツインギターだ。
実は、この「MICE」が他の曲のレコーディングと大きく異なっているのは、唯一、ギター音源を実際のスタジオでMarshalアンプを鳴らして、その音をマイクで拾うという、より本格的なレコーディングを行っているという点。この音源は、4th Singleで実際に使われているのだが、今回はあえて、その音源とは別にライン録りを行った音源も使用して、それぞれを左右に振ることで、初めてのツインギターでのアレンジを行ったことだ。
基本的に大きなフレーズの違いは無いのだが、ところどころで細かいニュアンスやフレーズが異なっており、その迫力は名曲『MICE』をより盛り上げてくれている。
今年もホストはABILITY 2.5 PRO
このシリーズも11年続けてくると、その間にホストアプリケーションも変化をしてくるのですが、昨年からはSinger Song Writerの後継ソフトであるABILITY 2.5 PROを使っています。
とはいえ、毎年のことなのですが、ここ10年ぐらいって、DAWソフトを使うのって、年末のこのシリーズを仕上げている時だけなんですよね。そうなると、ホント、使い方をもう忘れちゃっているんですよね…。まあ、PC性能は申し分ないので、ソフトシンセが何の不満もなく、バリバリ動いてくれるのは嬉しいんですけどね。
そうそう、今になっては当たり前なのですが、最後に出力をする際に、昔はSC-D70を使って、吐き出したものをループバックさせてて…みたいなことをしていましたが、今やDAW内でオーディオファイルに保存が出来ちゃうんですよね。
それこそ20年前からDAWをやってきた人間としては、違和感でしかないんだけどね。
ドラム:BFD eco
ドラム音源は、今年もABILITYに付属していたBFD ecoを使いました。まだ、BFD 2は手元に残しているから、インストールし直せば使えるのでしょうが、やはり60GBのインストールを年1回のためにするというのも何とも気が引けて…。音色はだいぶん探しましたね。
ベース:D-Pro
ベース部分は定番のD-Pro、Finger Bass 1 fxですね。
マスタリング
今回のミックスはこんな感じ。いつもとそれほど大きくは変わってないと思います。
一度、Masterに送って、そこでグラフィックEQ→マルチコンプレッサー→マキシマイザーという流れも同じですね。
完成品はこちら
やはり、”Allegory”の中でも「MICE」って特別な曲だからちょっと感無量ってところがありますよね。
そして何より、気付けば来年の「Egotism」でとりあえず一巡したことになるので、その後の展開をどうするかなぁ…。