干支にちなんで『ぼくは…』をリメイク
正月恒例のAllegoryリメイクプロジェクトですが、昨年が12回目の最終回だった…はず……なのですが、Allegoryにはもう1曲重要な曲が残されているんですよね。
Allegoryとはそもそも何?
もともと、『Allegory(アレゴリー)』というのは、私が在籍している音楽制作集団『.KOM@(ドットコム)』が2001年10月にリリースした2nd Albumです。
でも、どうして、このアルバムが毎年のように年始に登場するのかというと、このアルバムの全12曲(厳密に言うと13曲ですが…)が、それぞれ十二支の干支をコンセプトに作られたアルバムなのです。
ただ、この作品を作り上げたのは、今から実に20年前。大学生だったので、まだお金がなく、十分な機材でレコーディングができず、カセットテープからカセットテープにダビングしながら音を重ねていくという作業で曲を作っていました。
その後、2003年から2004年からPCを使った再レコーディングを行い、Hetakusongシリーズとして発表してきました。それからでも10年以上が経過をし、ソフトシンセもよくなったし、マスタリングの手法も少しは身についてきたということもあり、その当時のレコーディングをした音源を元に、現在のDAWソフトやソフトシンセを駆使して、その年の干支になっている曲をリバイバルしていこうというのが、このシリーズです。
「ぼくは…」とは?
そんなAlbum”Allegory”の中で、とりわけ異色なのが、この「ぼくは…」という楽曲です。
当時、Allegoryの楽曲制作を行っている段階から、干支の物語(神様のところに正月に挨拶に行き、その順番で十二支が決まった話)の中で、猫がネズミにダマされて1日遅れで行ったという話があり、せっかくならそれにもちなんで、ボーナストラックに猫をモチーフにした曲を作りたいということで作った曲なんです。
楽曲的には、Allegoryのレコーディング序盤(M0103、2001年の3番目の曲という意味)に作られていた曲で、正式なタイトルが決まる前から、「CAT」や「猫」と呼ばれていた曲だったりもします。
のちに、2004年に5th Singleとしてシングルカットされるほど、.KOM@を代表するバラード曲の1つといえます。
今年もホストはABILITY 2.5 PRO
このシリーズも13年続けてくると、その間にホストアプリケーションも変わりますが、ここ数年はSinger Song Writerの後継ソフトであるABILITY 2.5 PROを使っています。
シーケンスの画面はこんな感じ。毎年思うけど、マジで、DAWソフトの使い方が手探り感満載なんだよな~。昔は、結構バリバリやってたんだけどな(笑)。
その分、昔みたいにPCスペックが足りなくて…なんて心配はないから安心だけど。
ドラム:BFD eco
ドラム音源は、今年も安定感抜群のBFD eco。ホント、この素のドラム音がいいです。
ベース:D-Pro
ベース部分は定番のD-Proで、Finger Bass 1 fxってのもいつものヤツですね。
ピアノ:D-Pro
この曲の1つのポイントでもあるピアノは、Grand piano 1v 4th。実は、いろんな音色を試したんだけど、結局オーソドックスになってしまいました。
そして、シンセも2つ入っていて、基本はVelo Stringsなのですが…
間奏のところだけは、アタック感が欲しかったので、Sfz Stringsを使いました。
マスタリング
今回のミックスはこんな感じですが、いつもとそれほど大きくは変わってないと思います。
一度、Masterに送って、そこでグラフィックEQ→マルチコンプレッサー→マキシマイザーという流れもたぶん同じですね。
完成品はこちら
そして、完成品はこんな感じです。
バラード曲ってこともあって、いつにもまして(!?)クセも無く聞きやすい感じになったんじゃないかな~って思います。
ということで、今回で延べ13年かかって、Allegory収録全13曲のリメイクが完了しました。
全13曲を含む再生リストも作っていますので良かったら見てみてください。
今こうやって改めて聞いてみると、やはり統一した形で全部リミックスし直したいなって気はします。
ただ、2010-12年の3年間はSONARをホストでやっていたので、その移植が面倒くさいなというのがあります。そして、それ以上に面倒なのが、2010-12年,2014-17年の7つの楽曲でVirtual Guitarist 2というVSTiソフトを使っていたのですが、その音って、当時はミックスダウンしてないんですよね。しかも、今のメインPCにはVirtual Guitarist 2自体もインストールしてないから、そのあたりからやろうと思うと、また一からになってしまうので、やりたいけど出来ないよな~って感じなんですよね。