EZbox i3を購入&使用レビュー(2020.03.29)

(最終更新:2020.04.01)

 以前からこういうタイプのPCって気にはなっていたのですが、踏ん切りを付けて買うタイミングが無かったのですが、タイミングよくそこそこ性能のよいPCでタイムセールも出ていたので、今回手を出してみることにしました。

そもそもどうして購入したのか?

【用途①】職場用の私用PCが何かしら欲しい

 これは、自分の職場PCの問題なのですが、日に日に職場にあるPC管理が厳しくなっていて、外部ストレージの接続自体は数年前からシャットダウンしているし、ここ最近はサイトもアウトになっていて、特にOneDriveやGoogleドライブのようなクラウド系もダメで、最近は自宅のNASへの接続ですらダメになってきました。

 一方で、たまに仕事上で写真をいじりたい、Illustratorで何か作りたいというシチュエーションもあるし、NASから写真を落としたいということもしばしばあります。

 なので、自分のノートPC持ち込んで使ったりもするのですが、そのたびにノートPCをわざわざ出すのは面倒くさい。実は、2018年春までメインPCとして使っていたデスクトップPCが余っていて、しかもWindows10にアップデートを果たしたので、どうせ自宅に置いといても使わないので、それを職場に置いてもいいかなぁ…とも思ったりするのですが、さすがにデカいし、そこまでスペックを使うことも無い。

 だったら、何かしら小さいPCを置いて、職場で使っているモニターに並列で接続して、切り換えたらいいんじゃない?って思っていたのです。

【用途②】自宅用の軽量サブPCが欲しい

 2018年春からマウスコンピューターのデスクトップPCをメイン機として使っているのですが、普段は何の問題も無いのですが、唯一、Lightroomで現像するときの負荷が気になるんです。

 もちろん、現像する間、別のことをしていれば時間はそれほど気にしなくてもいいのですが、じゃあその間にYouTubeでも見ようかなぁ…と思ったりすると、それもそれでカクツキが発生してキチンと再生出来なかったりします。単純なブラウジングもそう。

 最近だと、Fire TVみたいなものもあるので、それらを介してYouTube等を再生してもいいのでしょうが、やはり検索するのにキーボードが使いたかったり、ブラウジングをするのはやはりPCの方が便利って訳なのです。

 無論、先にも述べたとおり、サブPCもあるのですが、その用途だけにフルタワーのデスクトップの2台体制はなかなか厳しい。となると、小さいPCあると便利だよねって話なのです。

求めるスペックはこういう感じ

 なので、私が今回求めるPCのスペックとしては、

 というスペックを考えていました。

 当初は、ASRockのDeskMiniあたりが現実的なのかなぁ…とも思いましたが、アレでもちょっとオーバースペックかなぁ…と。本当はVESAマウントでディスプレイの裏に本体が取り付けできたら最高なんだけど、そういうPCってCPUやメモリがダメダメだったりするんですよね…。

たまたま見つけたEZbox

 と思っていたところに、たまたま見つけたのがコチラでした。

 正直、どうやって見つけたかすら覚えていないのですが、Core i3でメモリ8GBで、SSDもM.2。小さいし、VESAマウントでディスプレイに付属することが出来る…。もう、コレだろうと

 しかも、アレコレ調べていたら、ちょうどAmazonのタイムセールで、5,000円引きで3.5万円に。どうせ、新型コロナウイルス関係で何も無い状況だし、導入するにはちょうどいいタイミングかなぁと思って購入してみました。

分かっていたけど、想像以上に小さい

 Amazonで注文して、サクッと2日後に到着。

 いくつか、ネットでもアップされていたので覚悟はしていたものの、とてもパソコンが入っている箱には見えない…

 蓋を開けると、箱の半分がPC本体、残り半分に付属品が入っています。

 本体を取り出すとなんとこのサイズ。まあ、VESAマウントに装着出来る段階でそんなもんだろうとは思うわけですが、十分CDのケースサイズに収まってしまう大きさ。正直、これだと無理にディスプレイにVESAマウントで装着させなくても問題無いぐらいのサイズ感です。

 付属品はこんな感じ。マニュアルは一様付いていますが、ほとんど内容の無いことが無く、各言語で書いてあるものの、実質日本語ページは9ページしかないです。

 あと、案外嬉しいのはHDMIケーブルが短いものと長いものの2本付属していること。実は何気に知らずに30cmのHDMIケーブル買っちゃってました。さらに、ACアダプタは結構小さいです。こういう小さいPC系って、本体小さくてもACアダプタが大きいことがあるので、それを考えるとこのサイズはいいですよね。

拡張性はそこそこある

前面

 ボディの前面には、電源ボタン、ヘッドホン端子、Type-C端子、USB 3.0端子が2口あります。

 今回のPCでちょっと驚いたのは、電源長押しでなかなか電源落ちません。説明書を見る限り、30秒の長押ししないと落ちないらしいです。

背面

 背面は電源端子、HDMI×2、USBが2つ、LANがあります。私は2画面表示は試してないですが、ネット上には可能だったという記事もありました。あと、もちろんですが、Wi-FiとBluetoothは搭載されています。

横面

 横面にはmicroSDカード端子があります。この向きからすると、左側が前面、右側が背面にあたります。

底面からの拡張性はこんな感じ

 底面には4つのゴムがあり、据え置きでも問題が無い構造に。スリットから見えますが、中には何かファンっぽいのが見えます。

 底面のネジ穴に金具を付けると、VESAマウントに取り付けることが可能です。なので、実質的に上2つだけでの取り付けですが、ボディ自体が相当軽量なので十分問題無さそうです。

 単純に底面だけ見るとネジ穴が見つからないのですが、4つのゴムを剥がすと、ネジ穴が出てきます。結構小さいネジなので、開けようと思うと精密ドライバーじゃないと厳しいです。

 上面のカバーを外すとこんな感じ。非常にシンプルな構成です。

 案外、ネットで検索していてもこの手の開帳した写真が見つからなかったんですよね。

 メモリはDDR3-1600 8GB。16GBにアップしてもいいのかもしれませんが、案外このタイプの16GBのメモリって安くないんですよね…。

 SSDは普通のM.2 128GB。個人的にはもうちょっと容量欲しいかもね。せめて、256GBとか。

 CrystalDiskMarkを走らせるとこんな感じ。なので、さすがにNVMeじゃない、普通のM.2でしょうね。まあHDDよりは速いので、まあいいでしょう。

 普通にPCを起動した状態で、35GBぐらい使っていて、残り83.5GBってところです。なので、データは外部ストレージであれば問題は無い感じです。

 OSってどうなのかなぁと思ったけど、一様64bit…って思ったけど、冷静に考えたらそうですよね。メモリ8GBの時点で32bitじゃないですもんね。

 このPCにどれぐらいの性能を求めるのか…って気もしますが、CINEBENCHで470pts。私の2017年購入のノートPC(i7-6500U)が692ptsだから、約70%ってところかな。

 マザーボードを固定するネジを4つ外すと裏側はこんな感じ。どこかでファンレスって見たような気もするけど、普通にファン付いてます。ただ、結構負荷かけないとファン回らないし、そこまでうるささを感じない印象です。

 よく分らないのが、コチラ。始めにケースを開けたときの上部の蓋?みたいなヤツなのですが、見るからに2.5インチストレージが取り付けられそうな雰囲気があります。ただ、マザーボード見る限り、何処で付けるんだろう…SATAも無いし…。

 ディスプレイのVESAマウントに装着するとこんな感じ。先の金具からも分る通り、VESAマウントからズレた形で本体自体は装着されるので、写真のようにVESAマウント自体が背面から少し窪んだようなディスプレイの場合は、少しゲタを履かせてやらないといけないです。

実際の使用レビュー

設定上の大きな問題は特には無いが…

 実はスペック的には実用的といえるものであるのは間違いないのですが、実際どうなのかな?という不安が無かったわけではありません。

 Windowsのインストールも、言語選択で日本語を選べば、至って普通です。

 少し焦った点としては2点あって、1つはキーボード関係。どうにもキーボードで「@」が打てなくて、何か変だなぁ?と思っていたらキーボードが英語配列設定になっていました。この点は、海外製というところが影響しているように思うので、ご注意を。

 もう1つは、私はOffice 365を契約しているので、Microsoftアカウントでいけるのかなぁと思っていましたが、そのままOfficeを起動しようとするとドイツ語表記みたいな形で出てきて、何が何やら…。ただ、こちらもMicrosoftのページから、改めてOffice 365のインストールをしたら問題無く直りました。

ブラウジング&Office系は問題なし

 まず、ライトな使用用途でいくと、普通にネットサーフィンをすべくChromeなどのブラウザでブラウジングするのには、ほとんど不満はありません。むしろ、事務所の仕事用のPCよりもスムーズなレベルです。

 なので、Office系のExcelやWordを使うのもストレスフリーです。この点も、明らかに事務所の仕事用のやつよりもむしろいいぐらいです。

YouTubeはフルHDはOK。4Kはさすがに厳しい

 ブラウズがサクサクイケるので、結構イケるかな?と思ったのですが、YouTubeは1080pや1480pは問題無く再生出来ますが、さすがに4K動画になると途中引っ掛かるような感じでスムーズに再生できない感じでした。

 ネット動画ではない、普通の動画については、フルHDは問題無く再生可能です。

Adobe系はどれぐらいいけるのか

Lightroom

 私自身、このPCでLightroomで現像しようなんて思ってないのですが、「もしかしたら…」という淡い期待も込めて試してみました。

 試してみたら、α7RIIIのフル画素のRAW現像100枚で32分43秒もかかります。32分43秒って1,963秒なので、単純計算で1枚に20秒…って、さすがに厳しいですな。

 せめて、普段使っているノートPCと同等ぐらい出るかな?と思いましたが、2.4倍ですからね…。

Dreamweaver

 普通に使う分にはそれほど問題はないとは思うのですが、私のようにページ数や写真数が多いと、さすがにちょっと起動などなどがもたつく感じはあります。ただ、一度起動してしまえば、ページの編集などに関しては、それほどモタつきを感じないです。

 なので、これはこれで実用の範囲内だと思います。