SONY / α6500を購入&ファーストインプレッション
(2017.07.02)
かなり迷った購入
いやあ、今回は久々に悩みました。
というのも、一番のポイントなのは、α6300からの進化点が多くないというところです。
もちろん、5軸ボディ内手ブレ補正は嬉しいのですが、タッチパネルっているか?、バッファ足りないのか?などと考えていると、α6500はスルーしてもいいんじゃないかと思っていたのが正直なところでした。
なので、昨年の秋の発売以来、完全にスルーしていました。むしろ、次のα7000(仮)なんかを想像していました。
それが急に潮目が変わってきて、気付いたらα6500を買っていました。
もちろん、α6500を購入したのにはいくつか理由があります。
APS-C機の必要性
α7Ⅱを手にして感じるのは、「やっぱり、APS-C機のα6000シリーズは必要だな」ってことなんですよね。やはり、フルサイズ機はボディもデカイし、レンズもデカイ。なので、本気で撮るぞ!っていう時にはいいのですが、ちょい撮りに持ち出すには、いろいろと億劫になるんですよね。そうなると、やっぱりα6000系を持ち出すことになります。
それは、α7Ⅲ(仮)が登場しても同じだし、万が一、α7000(仮)がα7系ボディで登場したとしても同じこと。
4K動画撮影
今や、動画撮影するなら4Kというところがありますが、私の手持ちカメラで4Kに対応しているのは、α6300とRX100m5。ただ、RX100m5は録画時間最大5分という制約があるので、ちょい撮りにしか使えない。となると、α6300で撮ればいいのですが、そうすると見事にスチール撮影が出来なくなっちゃいます。そういった意味でも、もう1つ4Kが撮れる機種が欲しかった。
α6000&NEX-5Tを下取りに
正直、NEX-5Tは私がEマウントを購入するキッカケになったカメラではありますが、AFが数世代古く、実用的には厳しい上に、一番はUIがさらに古くて、とても使おうという気になれないカメラになってしまい、ここ最近はサイト用の物撮りに使うかどうかというレベルでした。唯一、NEX-5Tの生命線であった180回転する液晶も、RX100m5で不要になってしまいましたし…というか、RX100m5に何もかも負けてしまった時点で、存在価値がほぼ無くなってしまいましたからね。
また、α6000もサブ機として使ってはいたものの、α6300との性能差はかなり大きく、水準器の有無はEVFの解像度、像面位相差AFの数…などなどかなり差が大きく、α6300に慣れてしまうと、とてもα6000が使えたもんじゃない…というストレスも味わっていました。
なので、今回のα6500を購入するにあたり、α6000とNEX-5Tを下取りに出しました。2台合わせて4万円ぐらいにはなりました。実は、このα6500を購入したとで、α7Ⅱ・α6500・α6300の3台体勢になったのですが、下取りをしてもらった店の店長からは、「α6500とα6300の2台持ちは贅沢じゃないですか?。α6300を売ってしまったら?」という提案も受けました。
ただ、4K動画を撮影をしながら、スチールも撮りたいという場面も出てくるし、APS-C機の2台体勢で望みたい場面もある。なので、今回はα6300は手元に残すことにしました。たぶん、次にα7000(仮)ぐらいが登場してくれば、売るでしょうけどね。
結構違うシャッターフィーリング
さあ、ここからは1つずつ変更点を見ていきたいと思います。
ということで、今回はα6000/α6300/α7Ⅱユーザーである私が、α6500の進化点をどう感じるかという観点でレポートしたいと思います。
真っ先に感じたのは実はここの部分。左人差し指をシャッターボタンに当てた段階で、「これはα6300とは違う!」というのが感触だけで分かります。確かに、こう見ただけでも違いますよね。別に悪い方向にシフトしているものではなく、α7Ⅱに似たような感じになったというのが正しいでしょうか。
そして、一番感じるのは、シャッター音の違いです。個人的にはα6300のシャッター音は、結構硬い感じの音で、歴代のカメラの中では好きな音だったのですが、それがちょっと音量小さめで少し柔らかくなった印象です。むしろ、改めてα6300と比べると「明らかにうるさいわ」と感じるほど。この点は好感触です。
唯一、気になるのは、電源スイッチが結構硬いというところでしょうか。今のところ、まだ慣れないですね。
たかがグリップ、されどグリップ
今回のα6500で外観的な違いを探すとすれば、ほぼココしか無いのでは?と思うのが、グリップ形状です。α7Ⅱには及ばないものの、α7Ⅱ>α6500>α7>α6300ということで、実は初代α7よりも大きくなっています。
以前、大阪のヨドバシカメラで実機を触ったときには、そんなにグリップ違うかな?と思いましたが、コレ、全然違います!。特に旧式のα6000やα6300を握ってからα6500を握ると、見事なまでに手にフィットしてくれます。ただ、この点は個人差があるし、もしかしたら女性には少し大きいと感じるかもしれませんが、私にはちょうどいい。もちろん、小指が余ってしまいますが、それはこのボディサイズでは仕方が無いこと。
これ、ある意味、いい裏切られ方です。たぶん、α6500に慣れてから、α6300を握るとグリップ力が無くて落としそうになるかもしれません。
カスタムキーの増設
あと、外見的な変更点で大きいのは、シャッターボタン付近のカスタムボタンが1つ増えて2つになりました。
私は、C1にAFモード、C2にAFエリアを割り当てています。実はα7Ⅱも同じ設定にしてます。
アイセンサーの切り換え
この点は待望の機能です。これまでのEマウントのαシリーズの不満点の1つでもあったのが、EVFのアイセンサーの感度でした。せっかく、ミラーレス機の機動性を生かして、ウエストレベルやしゃがんで撮影したい時に、チルト液晶を使って撮影をしようとすると、体との距離が近いと、EVFのアイセンサーが反応してしまって、EVFに切り替わってしまうというイライラが結構な頻度でありました。
それが今回のα6500からは、チルト液晶がボディから離れた段階でアイセンサーがオフになるので、格段に液晶での撮影が簡単になりました。なので、写真の通り、液晶をチルトした段階で、EVFをふさいだとしても、液晶は表示されたまま。
ホント、機能としては地味なのですが、とても大事な進化点だと思います。
新型アイピースカップで外れにくく
これも結構地味な改良点。α6000/6300系のアイピースカップは、ただ引っかかっているだけのようなアイピースカップだったので、何度か落としてしまったり無くしてしまったりという事案がありました。
それが、今回のα6500からは完全にアイピースの方式が変更になり、上部からスライドして入れるようなスタイルになりました。これで無くすことも無いでしょうね。ですので、当たり前ですが、α6300までのものは装着出来ません。
タッチパネルはいかほどか?
α6500の目玉の1つというべき機能がタッチパネルを搭載してきたという点です。これまで、SONYはどちらかというとタッチパネルに積極的では無かったし、私もNEX-5Tなんかでもほとんど使ったことが無かったので、そもそも期待もしていませんでした。
感触としては、あったらあったで便利だねっていう感じでしょうか。まあ、そもそも私の使い方としては、タッチパネルを使うタイプではないんですけどね。
印象としては、液晶パネルを見ながら移動させるのは結構サクサク動いて、EVF使用時にタッチパッドとして使うのはちょっともたつきがある感じはあります。ただ、それでも一時期情報が流れていたよりは、全然使える機能だと思います。
まだ試してはいませんが、結構、動画撮影時のAF移動に重宝しそうな予感がします。
5軸ボディ内手ブレ補正
この点は、まだ正直、この有効性をあまり感じないですね。それこそ一度検証してみてもいいかも。
バッファの強化
α6300からの大きな進化点の1つでもあるのが、このバッファの強化です。
明らかに体感的にもバッファ容量が増えたのが分かりますが、実際に私が手元のカメラで確認した限り、
トランセンドのSDXCカード(UHS-I・90MB/s)でRAWの連写Hi(8枚/秒)でテストをしてみたところ、
【α6300】23枚 ⇒ 【α6500】110枚
と、実に5倍の容量になっていて、RAWのみの連写であっても約13秒ぐらいの連写が可能です(こちらのページに同様の検証記事がありますが、だいたい同じ感じです)。ちなみに、RAWのみの撮影で90枚を保存するのに約90秒かかります。つまり、おおよそRAWのみ1枚を保存するのに1秒ぐらいかかる計算になります。なので、110枚を連写すると、この撮影中に書き込みされるのが10数枚あり、その時点で残りの書き込み枚数を見ると、96枚ぐらいになっていることが多いです。
連写直後のキー操作
また、このα6500で嬉しいのは、連写後にかなりの範囲で操作が出来るようになったところ。α6300では、連写直後はプレビューボタンを押しても「画像保存中実行できません」が表示されてしまうほか、MENUボタンを押しても無反応です(その代わり、Fnボタンや各カスタムキーは反応する)。
それが、α6500になってからは、連写直後にプレビューボタンを押しても、すぐにプレビューが見えるようになりました。ただし、MENUボタンだけは、今回も「画像保存中実行できません」と表示されて操作をすることが出来ません。まあこの点は、Fnやカスタムキーはきちんと反応するので、きちんとそちらに割り当てておけば大きな問題にはならないと思います。もちろん、撮影自体はバッファに余裕があれば撮影できますよ。
気をつけたい連写後の電源管理
実は何気に気をつけたいのはここなんです。
実は、α6500を購入した数日後に、α6500を持って鈴鹿サーキットでフレエンのライブをバシバシ連写をしていました。案の定、α6300では失速がちだった連写がα6500では息切れなく、バシバシと撮影出来ました。もちろん、それはありがたい話なのですが、最後の最後でフリーズして動かなくなるという事態が発生しました。その時に、気付いたのが、バッファからの書き込み中に電源を切ると厄介だという点でした。
先程も紹介したとおり、バッファMAXで連写をすると、そのデータをすべて書き込むのに1分30秒ほどかかります。この書き込みが終わらないうちに一度電源を落としてしまうと、「画像保存中しばらくお待ちください」が表示されて、その書き込みが終わるまで何も操作をすることが出来ません。
実はα6300でも同様のことはあるのですが、そもそものバッファ自体の容量が少ないので、待っても10秒以内というレベルなので、「起動が遅いなぁ」ぐらいの感じで済むのですが、α6500はそうはいきません。
なので、例えば、バッファMAXになるまで連写をして、ちょっと次の番まで少し時間があるから節電に…と電源をOFFしてしまうと、この自体が起きてしまう。もし、電源を切らずに待っておけば、バッファがフルではないにしても、書き込みが完了してバッファに余裕が出た分だけでも撮影が再開出来ます。もちろん、そんなにバッファをフルに使う人って多くないとは思いますが、運動会とか子どもが遊んでいる時とか、同様の事態は起こりえますので、連写時は本当に電源を落とすのは、最後の最後という風にした方がいいと思います。
メニューUI
α99Ⅱあたりから新しくなったメニューのUI。
確かにちょっとカラフルになりましたが、基本的な並び方はそんなに変わっていないような気がします。むしろ、上の写真を見ても分かる通り、カメラ1だけでも14ページもメニューがあるわけで、もう少しタブ自体を増やしてもいいんじゃないかな?と思います。
ザッと触っている限り、α6500になって新しく加わったUIっていうのはあんまり無い気がしますね。
いきなり縦位置グリップを試してみる
さあ、私のEマウントカメラと言えば、やはり縦位置グリップとの戦いですよね。
これまでもα6000やα6300では、サードパーティー製のグリップをいろいろと使ってきましたからね。
本当は、今更ながらα6500を買った理由の1つは実はこのこともあるんですよね。やっと最近になって、α6500用の縦位置グリップが販売されるようになったんです。もちろん、サードパーティー製ではありますけど…。
私の今の使い方としては、Eマウントカメラといえども縦位置グリップは欲しいですからね。
実はちょっとした余談ですが、α6000/6300用の縦位置グリップは、『無理をすれば』α6500でも使えなくは無いです。この『無理をすれば』というのがミソで、以前にもα6300の記事でも書いたとおり、そもそものバッテリーの位置が微妙にズレているので、キチンとはハマりません。ただ、自己責任の範囲でちょっとずれた形でも良ければ、無理矢理使えなくは無いです。ただ、正直オススメはとても出来ないですけどね…。
パッと見ても、純正じゃ無いの!?と思ってしまうぐらいの完成度の高さ。想像以上にグリップ部分も全く違和感がないぐらいのピッタリ具合です。
リヤ側は至ってシンプル。まあ、そもそも純正でも縦位置グリップが無いんですから、グリップ側にキーを割り振るのも無茶ですからね。
16-70mmを装着するとこんな感じ。この組み合わせがホント、使いやすいんですよね。
LA-EA3を付けるとこんな感じ
α6500を購入する人は、Aマウントレンズを使いたいって人もいるでしょうから、あえてLA-EA3を装着してみました。
はい、問題なく装着できます。
正直、LA-EA3を装着した状態で縦位置グリップを付けるというのは、ネジが回しにくいので、やりにくいとは思いますが、予め縦位置グリップを装着しておいた状態で、あとでLA-EA3を装着する分には何の問題も無いです。
もちろん、縦位置にしてグリップを握っても、手と干渉することはないです。