SONY / α9を購入&使用レビューとゆかいなレンズ達
(2019.07.07)

(最終更新日:2019.07.30)

ついにこの日が来てしまった…

 我ながら、ちょっとこの展開には驚きです。

 だって、私がαシリーズのフラッグシップ機を手にすることになってしまったのですから…。思えば、α55やα77を使っている時なんて、α99自体も夢のまた夢だったし、自分には必要の無いカメラだとも思っていたのにこのザマですわ。

α9を購入した理由とは…

私が使わずして誰が使うのか

 実は、α9購入を考えていたのは今に始まったことではありません。一番初めに考えていたのは、2017年の夏から秋にかけ、ちょうどα7RIIIが発売される直前の頃だったと思います。

 当時から何故考えていたのかというと、ブラックアウトフリーの高速連写が可能で、AF性能もダントツでいいα9って、私のようにサーキットでマシンを撮影する人にとってはこれとない機種。しかも、私の場合、たまにフレエンやドリエンのステージも撮るし、しゃんしゃん祭りも撮る訳で、動体追従って欲しい機能なんですよね。

 そう考えたら、素直に「いや、私がα9を買わずして誰が買うんですか?」って訳なんですよね。

α6400を手にして痛感した電子シャッターの可能性

 そして、もう1つ、ある意味キッカケになったのがα6400の存在です。

 は?なんで?

 と思うかもしれませんが、α9を覗けばトップクラスと言えるα6400のAF。正直、これだって十分なんですよ。ただ、α6400だとしても、シャッター半押しで追従している間はα9と遜色ない爆速なのですが、シャッターを切り始めた途端に追従がやや弱くなるんですよね。リアルタイムトラッキングなんかを見ると、なおさら痛感するんです。

 あれを経験してしまうと、「この上の世界を求めていくには、もう電子シャッターは避けられないんだな」ということを感じてしまうわけです。

フルサイズ機か、APS-C機か

 ただ、その後、α7RIIIを購入して、α7IIIを購入して使うにつれて、マシン撮影だとやはりAPS-C機なのかなぁという思いも一方でありました。それはやはり、SEL100400GMとの組み合わせで否応でもそうなるでしょうと。テレコンが使えるとはいえ、あのケラレがなかなか厄介でしたから。

 その一方で、マシン撮影用にAPS-C機、しかもフラッグシップ機を持つということに対する抵抗感も一方ではありました。だって、ステージ撮影やしゃんしゃんなら圧倒的にフルサイズの方がいいわけで。

 それであれこれ悩んでいたところに登場してきたのが、200-600mmな訳です。テレコンも十分使えるし、これならフルサイズ運用でも十分いけるだろうと。そうなると、α9再熱となった訳です。

しかも、いまさら、このタイミングですか?

 とはいうものの、α9購入に躊躇は無かったのかと言われると正直ありました。

 何故かというと、この秋にでもα9IIが発表されるかも、という噂が飛び交っていたからです。ネットをあちこち見て回っても、正直、「今は買いじゃない!」という意見の方が多数でした。

 ただ、冷静に考えると、今までのSONYの売り方からすれば、α9IIが登場したとしても、おそらくα9が登場した時の50万円がベースラインで、一部には60万円クラスになるかもしれないとも言われています。そうなると、新発売とはいえ、とても飛びつくような値段ではない。

 しかも、今までα9って一度しゃんしゃん祭りでレンタルしたことはあっても、肝心なサーキットで使ったことがない。もしかしたら、α9ではオーバースペックかもしれないし、やはりブラックアウトフリーが気持ち悪いと思うかも知れない。あとは、フリッカーの具合がどんなもんかなぁとか。そうなると、いきなりα9IIに飛びつくのは私には怖かったのです。

 また、一方で今のα9は、37万円台にまで落ちてきました。中古だと30万円台の前半でも買える雰囲気はありましたが、もしかしたらガッツリ使い込むかもしれないカメラを、中途半端に中古で買うという勇気はありませんでした。しかも、そこは旧型機を値段を落として併売するSONYさんですから、おそらくこれ以上、どんどん値段が落ちていくとも考えにくい。そう思えば、買うならむしろ今なのでは?と思ったわけです。

まあまあ、かといってそんな目新しさは感じず…

 そりゃ、そうですよね。

 にしても、こんなバカな持ち方をしているのってなかなかいないでしょうな

 α7IIIは、しばらくα9を使ってみてのポジション取りで、今後の処遇を検討します。特に、α9のメカシャッターをどう評価するのかって話でしょうね。そこが気にならなければ、α7IIIは売ってもいいかな。

一番の違いはフォーカスモードとドライブモードのダイヤル

 パッと見でも分かるのは、やはりα9の一番の外観的な特徴は、このフォーカスモードとドライブモードのダイヤルですよね。

 正直、これまでずっと十字ダイヤルの左でドライブモードは変えてきたので、違和感しかないです。フォーカスモードは、ほとんどAF-Cでの撮影なので、たぶん変えることは無いですが、ドライブモードはちょくちょく変えますからね。

 そのドライブモードについては、これまでの機種とは少し違っていて、

機種 シャッター Hi+ Hi Mid Low
α9 電子 - 20コマ/秒

(ブラックアウトフリー)

10コマ/秒

(ブラックアウトフリー)

5コマ/秒

(ブラックアウトフリー)

メカ - 5コマ/秒 5コマ/秒 2.5コマ/秒
α7RIII/α7III メカ 10コマ/秒

(アフタービュー)

8コマ/秒

(ライブビュー)

6コマ/秒

(ライブビュー)

3コマ/秒

(ライブビュー)

α7RII/7II メカ - 5コマ/秒 - 2.5コマ/秒
α6500/6400
/6300
メカ 11コマ/秒

(アフタービュー)

8コマ/秒

(ライブビュー)

6コマ/秒

(ライブビュー)

3コマ/秒

(ライブビュー)

α6000 メカ - 11コマ/秒

(アフタービュー)

6コマ/秒

(アフタービュー)

2.5コマ/秒

(アフタービュー)

 という感じで、α9には7RII/7II時代のメカシャッターが搭載されているので、単純なメカシャッター機構を考えると、実は性能がα7RIII/7IIよりも落ちます。しかも、おそらくですが、たぶんいずれもライブビューではなく、アフタービューの予感。これが唯一の劣る面かな。

 なので、直訳すると、メカシャッターオンリーになると、おそらくα7III>α9>α7IIになるってこと。逆に言えば、α7IIのAFエリアがα7III並になったのがα9だと。

 ただ、私にとってα7RIIIやα7IIIでも連写って、多くても8コマ~6コマぐらいしか使っていなかったし、α7II時代に連写で困ったことは無かったので、たぶん大丈夫かのかな。まあ、コマ数だけ言えば、動体追従でってときは電子シャッターありきになる訳で…。気になるとすれば、電子シャッターでスローシャッターの流し撮りを撮影したときにどうなるかだろうな。

しゃんしゃんでのリアルタイムトラッキングはクセモノかも

 今年のしゃんしゃんは、メインのナナニッパにα9、サブの16-35mm F4にα7IIIという形で挑みました。といっても、撮影した連が偏っているので、どうしても第1部の練習撮影の様子になってしまいますが…

 といっても、実は2017年の同じしゃんしゃん祭のときにもα9を使っていたので、スゴい驚きというのは無かったのですが、当時と一番違うのは瞳AFがリアルタイムになったことで、シャッター半押しだけでバッチリ狙ってくれるという点。もちろん、α7IIIやα7RIIIでも同様の機能は搭載されているのですが、やはり追従っぷりが違います。

 ちなみに、α9だとリアルタイムトラッキングが搭載されているのですが、事前練習のときに使ってみたところ、あまりにもAF性能が良すぎて、すぐに傘に持って行かれるイメージがありました。AF追従を1で粘る方に振っているのですが、それでも傘に持って行かれます。

 なので、当日を含めて、トラッキングは使わずに、普通にトラッキング無しの拡張フレキシブルスポットで瞳AFだけで使用しました。こうするとスポットに近い人物の瞳を優先的に狙ってくれるので、私のような撮影スタイルでは案外使い勝手がいいです。

 ちなみに、作例は無いですが、135mm F1.8 GMなんかで狙っていたりすると、明らかにα9の歩留まりがよく、α9>α7III>α7RIIIを痛感します。連写の音が始めは気になっていましたが、もはや慣れてきましたね。

 あと、しゃんしゃんという舞台で考えると、高感度は十分使える感じです。ISO-12,800でも十分耐えられます。AFもよっぽどなシチュエーションでなければ十分いけます。むしろ、今回は照明の関係で、逆光気味のところがちょこちょこあり、そこでAF的に厳しいというのはありましたが、まああれは仕方がないでしょうね。

サーキットでも試してみた

 今回、200600Gの真骨頂はやっぱりサーキットじゃ無いと分らないということで、岡山国際サーキットの地方戦に足を運んで、試し撮りをしてみました。

まずはマイクナイトで

 このターンインがフルサイズでバシバシ気持ちよく撮れるのがホントにありがたい。

 こういう前から直進的に来る場面でもAFの追い方としては全然問題無いです。ここだけ見ても、AFは100400GMよりも200600Gの方がいいような実感があります

 そして、ターンインをちょっと流して見ました。普通に考えて、840mmを1/80sで流すなんてあまりしないのですが、いや、十分撮れてます。ホント、撮ってて気持ちいい。何か、久しぶりにこういう感触を得ましたね。

続いてパイパーコーナーで

 ホント、このパイパーコーナーでの撮影は、α9のリアルタイムトラッキング様々でした。ターンインの前にトラッキングをしたら、そこずっとAFが追ってくれるので、あとは構図を決めてシャッターを切るだけ。言葉で書くと呆気ないのですが、撮影をしているとホントで気持ちいいの一言!。

 しかも、このリアルタイムトラッキング、今まで箱車でしか試していなかった(その時はα6400)のですが、こういうフォーミュラカーで試すと、ノーズをトラッキングしたらノーズを追うし、ヘルメットをトラッキングしたらヘルメットを追ってくれる。当たり前のことを言っているのですが、これが地味にスゴい。OLYMPUSがインテリジェント被写体認識AFというのを搭載していますが、自分でどこに追従して欲しいかを選べるので、こっちの方がいいと思います。

 なので、もうちょっと慣れたら結構アップで、ドライバーを追うという撮影も十分出来そうです。

 やはり、流し撮りも格段にやりやすいです。こうなってくると、撮影の幅が広がりそう。

サーキットでのα9は、無敵だった

 正直な話、α9を買ってはみたものの、「あまりメリットが出なかったらどうしよう」「α7IIIでいいじゃん、ってなったらどうしよう」と思っていたのですが、素直な感想はα9無双でした。

 やっぱり、ブラックアウトフリーがこんなに気持ちいい上に撮りやすくなるというのが、実際に使っていてよく分りました。その実感は、しゃんしゃんでの撮影よりも痛切に感じます。これを味わってしまうと、α9以外のボディで撮る気がしなくなっちゃいます

 そこに加えて、リアルタイムトラッキングがやっぱりスゴいです。α6400の時もなかなか使えるねっていう感じでしたが、連写をしていると微妙に付いて来れていない感じがして、「これなら拡張フレキシブルスポットでいいかな」と思ったりしていたのですが、α9はやはり撮影していても食いつきがハンパないので、いやいやトラッキングで撮りたいです!と思える性能のです。コレはホント、いいっすよ!。

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