SONY / RX100VIIを購入&使用レビュー(2019.11.04)
(最終更新日:2020.02.29)
もうだいぶん経過をしてしまっていたのですが、でも記事にしない訳にもいかないかなぁと思い、今更ながら記事に起こしてみました。
M6からM7へ乗り換え
まだ、RX100VIを購入してから1年ぐらいでしかなかったし、正直、RX100VIの段階でかなり完成度は高いカメラではあったのですが、不思議とすんなり発売直後にRX100M7に乗り換えることにしました。
といっても、たかがコンデジで14-15万円って、正直アホかって思うのはやむを得ないのですが、1つはRX100シリーズはありがたいことに中古の下取りがそれなりの値段をしてくれます。事実、RX100M6は下取りで9万円してくれたので、実質的には5万円ぐらいの追い金で購入することが出来ました。
ただ、1つアドバイスをしておくと、この手の場合、下取りに出すタイミングが結構重要で、RX100M7の発売が発表された直後は、実はもう少し良くて、9.5万円ぐらいしていましたが、どうしてもしゃんしゃん祭のサブ機で使いたくて、そのしゃんしゃん祭の翌々日に売却をして9万円。発売日は8月末だったので、この2週間ぐらいはα6400でどうにかやりくりしました。お陰で、発売日には9万円は切ってましたからね。なので、発売直後に飛びつくのであれば、発表直後に売っちゃった方が少しでも値段は良くなります。まあ、当たり前ではありますが…。
動画性能
やはり、買い換え理由の一番大きいのは動画性能がアップしたという点に尽きるでしょう。
特に、今までRX100VIまでは4K動画が撮影出来たとしても5分以内という制限がありました。そもそも、5分以上撮りたいケースがどれだけあるんだ?という気もしますが、逆に言えば、ちょっと撮ろうと思っても「5分以上撮れないから…」ということで長回しがやりにくいというのも事実。例えば、1曲分回したいとなると、5分ってちょうど微妙な時間なんですよね。
そこが、今回のRX100VIIでは、5分の壁が突破され、何とバッテリーさえ持てばほぼ無制限で撮れるようになってしまいました。正直、30分ぐらいかな?と思っていたので、ちょっと撮るにはホント助かります。
その点、すぐにdrikinさんが検証動画を出してくれて、単純にこれだけでも買いな気がします。
ついにマイク端子装備
そして、動画性能の向上と合わせて嬉しいのが、マイク端子が搭載されたこと。どうしても、外出先で動画を撮るとなると、風切り音が気になるのですが、これを改善するのは外部マイクを使うしかなかったのですが、念願のマイク端子が搭載されたことで、この点も一気に改善しました。
とりあえず、私としてはしばらくはDJIのフレキシブルマイクで運用しようとは思っています。ただ、本音を言えば、ちょっと長すぎたりすし、直接挿すと横向きに伸びた形になるので、出来れば90度曲がるタイプがいいので、その点は、のちのちもうちょっとコンパクトで性能のいい外部マイクを探そうかなぁと思っています。
そういった点もあり、今まで以上に動画撮影を使い始めるだろうと思い、今回はシューティンググリップキットで購入しました。
+1万円ぐらいしたわけですが、ブラケットやバッテリーが1つプラスされることも考えれば、お得なセット。まあ、冷静に考えれば、ブラケットまで使って撮影するならα6400を使うだろうとも思うのですが、シューティンググリップを買うことを考えれば、悪くはないでしょう。
【追記情報】(2020.02.29追記)
今となっては、新しいワイヤレス接続可能なリモコン「GP-VPT2BT」が発売されました。
確かに一回り大きくなってしまいますが、ワイヤレス接続可能な上に、自撮りしやすいように回転も出来たりするので、今になってはそこまでシューティンググリップキットのメリットが無いかも…
シューティンググリップキットを購入すると、こういうブラケットも付属します。
私の場合、純正のステレオマイクロホン(ECM-XYST1M)を持っているので、それを装着するとこんな感じ。確か、オフィシャルでこのブラケットを使っているヤツってこういう組み合わせなんですよね。
ただ、私の実際の運用としてはこういう感じかな。グリップに直接RX100M7を装着して、マイクをチョコッと挿す感じで。なので、とりあえず普段持ち歩きのバッグの中には、このグリップとDJIのマイクは常に入れるようにしています。
ちなみに、グリップには写真のシャッターボタンと動画の録画開始ボタン、そしてズームの操作ボタンがあります。何気にズーム操作がここでできるのは強いです。
現場使用時での注意点
2019年のスーパー耐久最終戦@岡山で実際に動画撮影をしたので、その時のレビューを追記しておきます。
ちなみに、午前中の時はいい感じで撮れなかったのですが、RX100M7はこんな感じで撮影をしていました。マイクは、定番のDJIのフレキシブルマイクです。
トラブル①:5分で録画が強制終了!?
機材をセッティングして、録画を開始してからスチル撮影の方に専念していたのですが、曲間にカメラをチェックしたら画面が消えているんです。で、「あれ?」と思ってよく見たら、レンズも収納されていて、どうやら完全に電源が落ちている。
おかしい…確か、RX100M7は4Kであっても5分制限は無くなったはずなのに…
気を取り直して、もう一度録画を再開したのですが、やはり5分間で強制的に終了していました。とりあえず、その場ではチェックする余裕も無いから、とりあえずはスチル撮影に専念してました。
で、あとで昼食を食べるタイミングでネットで情報しつつ、一度は4K録画の設定(30pや24p、100Mや60Mといったところ)かなぁと思っていたのですが、冷静に考えたら、「自動電源OFF音頭」の設定が標準になっていたのに気付きました。確かに、RX100M7を購入してからそこまでの長回しの動画を撮ってなかったから、灯台元暗しみたいな感じでした。
トラブル②:録画時間よりもバッテリー不足に注意
午前中の撮影で、先の5分での停止があったので、午後のイベントでリトライ。
午後からは、午前中に失敗した5分の壁は電源OFF音頭の設定で見事攻略、もちろん30分の壁も突破してこのまま上手く行けるかなあ…と思っていたところ、最後のライブということで思っていたよりも(MCも相当あったので…)ライブ自体が長くて、最後、バッテリーが持ちませんでした。そもそも、この最後のライブを撮るって分っていたら、モバイルバッテリーでも持ってきていたんだけどな…。
しかも、RX100系って、三脚穴を使うとバッテリーカバー外れないので、バッテリー交換もなかなか面倒くさいです。なので、長時間になりそうだったら、モバイルバッテリーは必須だと思います。
トラブル③:外部入力×爆音は音量調整必須
あと、録画データに関して確認をしたところ、写りは問題なし、被写界深度も適度な感じで良いのですが、実は心配していた音がさすがにスピーカーからの距離が近かったのが影響してか、結構音が大きく、割れたような感じに。これでもだいぶん音量レベルを下げていたんですけどね…。
でもまあ、せっかくなので、限定公開でアップしておきます。まあ、普通はあそこまでの大音量で、しかもスピーカーとの距離が近いというシチュエーションの方が希だと思いますが、その点、マイク・音量によって微調整はいると思います。
4K動画撮影中の手ブレ補正アクティブモード対応
また、動画性能の向上で嬉しいのは、手ブレ補正が「アクティブ」が使えるようになったところ。正直、グリップに装着して手持ちで歩きながら…というようなシチュエーションでは厳しそうですが、立ち止まって撮影して…という雰囲気であれば問題は無さそう。これまで、「確かに4K動画はキレイに撮れるけど、手ブレ補正がなぁ…」という気がしていただけに、この点の改善も嬉しいところです。
また、スマホのアプリを使うと、カメラのジャイロ情報を元に手ブレ補正をして、ジンバルを使って撮影したようなスムーズな映像補正が出来るとのこと。だけど、私が少し試した感じだと、そこまで強力なものではなさそうな印象。まあ、元々撮影した動画が結構ブレていたというのもありますが、GoProのように気にせず歩いても大丈夫ってほどではない。しかも、4Kで撮影していてもフルHDまでの出力しか対応していないので、それならシンプルにPCのソフト上で手ブレ補正かけた方がまだいいような気がします。
ちなみに、動画撮影時のリアルタイムトラッキングやリアルタイム瞳AFといったαシリーズでも最新機種に搭載されている性能がフルで注ぎ込まれているので、もう至れり尽くせりといった感じです。
写真性能は「マイクロα9」とも呼べる性能
一方で写真撮影という機能で考えれば、ほとんどα9と同等性能の最大60回/秒の演算処理によるAF/AE追従の20コマ/秒のブラックアウトフリー撮影が可能。正直、RX100シリーズでそこまでの高速AFと高速連写が必要なシチュエーションがあるのか?とも思ってしまうし、私としては「そこまでいらないのでは?」と思うのですが、搭載されていて不満はない機能。逆に言えば、ミラーレス機を持っていない人にとっては、「RX100VIIさえ持っていれば、撮れないモノは無い」とさえ思えるスペックです。
試しにスーパーバイクの時に激感エリアから試してみましたが、まあ撮れなくはないですが、やはり動体を狙うとなると、焦点距離的な問題の方が出てきますよね。
地味にリアルタイム瞳AF対応は大きい
それ以上に大きいのは、こちらも動画性能同様にリアルタイムトラッキング・リアルタイム瞳AF(人物/動物)の撮影に対応しているというところ。特にリアルタイム瞳AFは、α系と同様にシャッター半押しで瞳AFが動作するので、RX100系のようにボタンが少ない機種には非常にメリットが大きい機能です。さらに、タッチトラッキングにも対応しているので、RX100VIで搭載されたタッチフォーカスと合わせて、強力な味方になってくれています。
さらに細かいところがα並に
しかも、こういった目立った機能ばかりではなく、細かい機能のアレコレが、ほとんどα並にアップしているというのが、α系を持っている人にとっては、痒いところに手が届く嬉しさ。
例えば、フォーカス位置巡回設定やフォーカスエリア/ISO感度の限定表示、フォーカスエリアの色指定、縦横フォーカスエリア位置、Fnボタンメニューが写真時と動画時で分けることが可能、マイダイヤルなどなど。
実は寄れるというレンズ性能はVIから継続
RX100シリーズはVI以降、24-200mmという高倍率レンズというのがウリ。VIIになっても、そのレンズ性能は継承している訳ですが、意外と知られていないのが、「実は寄れる」という事実。
詳しくは、RX100VIのときの記事を見て頂ければと思うのですが、このレンズ実は意外と寄れます。
私が使う言葉で、最も寄った時に写すことが出来る最小の長さを「最小撮影長」というのがあります。カメラ業界的には「最大撮影倍率」という言葉がありますが、イメージしにくいでしょ?。しかも、35mm÷最小撮影長=35mm換算の最大撮影倍率なので、私はこの言葉と数字をよく使っています。
数字の通り、50mm前後のあたりが横幅7.5cmが写しきれるぐらいの大きさで撮影が出来ます。ソニーのセンサーは3:2のセンサーなので、だいたい7.5cm×5cmが写しきれる計算になります。
このレンズのミソは、ワイド端でもなくテレ端でもない、50mm前後のあたりが一番寄れるというところ。
参考までに最大撮影倍率に直すとこんな感じ。ワイド端で約12cm(約0.29倍)、テレ端で約18cmぐらい(約0.19倍)でしかなく、やはり50mm前後が最大撮影倍率で言えば約0.47倍と圧倒的に寄れます。ちなみに、α6000でよく使われる1650PZって、テレ側で寄れて結構重宝するのですが、それでも0.4倍ぐらいなので、それよりも寄れます。
これは、名刺サイズよりもひとまわり小さいサイズが撮れるイメージ。これ、知っておくとホントに重宝します。
残念なところも無くはない
いつまで経っても改善されない端子カバー
これ、毎回不満点として書いているのですが、この端子のフタをいい加減改善して欲しいです。
今回、マイク端子が増えたことで、3つに分割された形になっていますが、その形状は変わっていません。HDMIとかはいいけど、特にUSB/マルチ端子って、データ吸い出しや充電でしょっちゅう開閉するのに、ホントストレスが溜まるんです!(*`Д´*)。
正直、RX100シリーズを作っている人は使ってないのか?と疑ってしまうほど。
実は、あるときに行きつけのカメラ屋さんにSONYの営業担当者が来た時に、不満点として伝えましたが、結構その声自体はあるとのこと。実はある大手量販店の役員さんもSONY担当者に、「どうにか改善しろ」と文句を言ったとか…。
内蔵NDが欲しい
まだ私としての撮影はそれほどハードではないのでいいですが、やはり動画撮影をしっかりしようと考えると、NDフィルターって必須になってくるのですが、RX100シリーズはVまでは搭載されていたものの、VIからは内蔵NDが非搭載になってしまいました。おそらく、レンズ設計の問題なのかもしれませんが、やっぱり欲しくはなりますよね。
電源投入直後いきなりの撮影はAFが怪しい
これは、RX100VI以降に気になっているのですが、電源投入してすぐに撮影をすると、AFが怪しいときがたまにあります。
どういうことかというと、私の場合、例えばサーキットで撮影記用の画を撮るのにRX100シリーズを使っているのですが、そういう時って、取り出す→電源オン→撮影→電源オフ→しまうという流れで撮影します。となると、電源投入して撮れるようになったら、すぐにパシャッと撮影するのですが、どうもそれが電源投入から撮影までが早すぎるとAFが合わないイメージなんです。
キチンと検証をしていないのでハッキリとは分らないのですが、
・AFエリア:ワイド
・AFモード:AF-C
・電源投入直後の撮影
という条件でそうなる印象です。なので、どうしても失敗しないように…という時は、わざとAF-Sで撮影するとほとんど失敗が無いです。また、ある程度電源入れっぱなしにしているときは、こういうことに遭遇したことが無いです。
私のイメージとしては、それでもVIの時よりもVIIの時の方が改善されている気はしているのですが、VIIでも生じたことがあるので、気をつけて撮影するようにしています。
スマートフォンリンク非対応はFlashAirでカバー
実は、今回のRX100M7で1つ注目していたのはスマホへの転送でした。
どうやら、RX100M7がスマホへの自動バックグラウンド転送に対応しているらしい。
— Ke-Kun Photo (@evo_tak_photo) July 30, 2019
スマートフォンシンクがなくなった今、コレは地味にいいし、コンデジにこそ入れるべき機能。
これだけでもM6からの買い換えの意味がありそう。https://t.co/0VRN1RKAie pic.twitter.com/TQcSxbls5B
ただ、コレって実際に試してみたら、何てことは無い、アプリを起動しているときに、撮影したらスマホへ転送してくれるというだけであって、以前の「スマートフォンシンク」とは全然違う仕様のものでした。
はい、コレでは私の使用用途としては全然適しません。
こうなったらFlash Airに頼るしか無い!
もうカメラ側でどうにもならないとなると、SDカードで対応するしかない。で、Wi-Fiを搭載しているSDカードといえば、昔は「Eye-Fi」なんてのもありましたが、やはり老舗としては東芝が出している「FlashAir」ぐらいしかもはや残ってないんですよね。
あれこれ調べていた中で、数年前までは公式にスマホ転送してくれるサードパーティアプリなんかもあって、それで出来るなんて記事は見たことがあったのですが、そのアプリも終了になっていたりする一方で、「いやいや公式アプリで転送してくれるぞ」という情報もあったりして、どれが本当なのか分らない状況だったのですが、ここは半分、自分が人柱になってもいいかなぁと思って最新版の第4世代のFlashAirを購入しました。
(といっても、ホントのことを言うと、RX100M6の時代には購入・導入していたんですけどね。HPで紹介するタイミングを逃してしまってまして…)
実は、昔、8GBのFlashAirを買っていたんですよね。調べてみたら2012年6月なので、まだRX100を買う前のHX5Vの時代だったんですね。8GBでClass6とか、今だとお話にならないレベルですよね…。
その点、一様UHS-Iだし、Readで90MB/sですからね。さすがに世代を感じます。
転送の流れはこんな感じ
まずは、アプリを起動すると自動的にWi-Fiを使って、FlashAirとの接続を始めます。
そうしたら、「”flashair_xxxxxx”はインターネットに未接続です」というメッセージが出てくるので、「このネットワークをそのまま使用する」を選択。
すると、SDカード内の画像が表示されます。これ、転送が完了した段階のスクリーンショットで申し訳ないのですが、画像の横に下矢印が付いているものが転送済みの画像で、転送中は上部の「A↓」というアイコンが点滅しています。
なので、公式アプリでいとも簡単に差分転送が可能です。
※あくまで今回使用しているのは、Android版のアプリなので、iOSについては検証していません。
あと、私の場合、RX100M7ではRAW+JPEGで撮影をしているのですが、アプリの「写真/動画の自動保存」でJPEGだけにチェックを入れておくことで、転送するのはJPEGだけで、RAWは転送しないというのも設定可能です。
以前は常にRX100M7にFlashAirを挿していて、必要に応じてFlashAirの転送機能の入り・切りをしていたのですが、最近はどうせ転送が必要なのはサーキット撮影ぐらいなので、サーキットに行くときだけFlashAirを使うようにしています。また、アプリ転送時にリサイズしてくれるような機能はないので、カメラで撮影したJPEGサイズでそのまま転送されてしまうので、サーキットではRAW+JPEGでJPEG画像サイズを「S:5.0M」にしています(サーキットでの場合、ほぼ100%RAW現像するので、JPEGをフルサイズで撮影する必要が無いから)。お陰で、転送速度が面白いぐらい速いです。