α撮影記 鳥取砂丘イリュージョンⅩⅠ 2013 (2013.12.19)
(撮影日:2013.12.16-17)
もはや、年末の定番になりつつある鳥取砂丘のイルミネーションです。何より近いですし、平日の仕事が終わってからゆっくり撮影ができるので、気軽に出来るのが何よりいいです。ただ、今年はなかなか天気が悪く、この2日間ぐらいしか狙うタイミングがありませんでした。本当は、去年の三日月のように、満月とのコラボレーションを撮りたかったんだけどな。
まずはオーソドックスに…
こういうと何ですが、2011年と2012年はツリーみたいなものがあって、砂像なんかもあったりして、撮影する身としては、「これぞ、砂丘のイルミネーション」という絵があったのですが、そういった意味では、この2013年はパッとしない感じが否めません。なんでも業者が変わったそうですが…う~ん、どうでしょう。
さらには、あちこちに後援業者のドデカイ看板…。駐車場を開放するために、イルミネーションの中にプレハブを使った休憩所…う~ん…。
望遠レンズで切り取って…
丸ボケ探しに四苦八苦…
今年の撮影スタイルでも望遠レンズでの切り取り撮影。ただ、この手の撮影で大変なのは、奥の被写体を何にするのかとどうやって丸ボケさせるか。まずもって、いい被写体が無いんです。それが意外とツライです。なので、終盤は後で出てくるクロスフィルター使いに走りました。
あと、丸ボケをさせようと思うと、何かしら手前に光が必要…なのですが、これが意外と大変です。あまり込み合ったLEDの所に行くと、配線が重なって背景の被写体がクリアに移らない。さらには、三脚を使っているので思ったところで撮影するのにいろいろと手こずる…。う~ん、大変でした。
明るい望遠レンズが欲しくなる…
これまでイルミネーション撮影は、標準ズームか広角ズームのどちらかで挑んでいましたが、今回は望遠レンズで撮りたいという思いがあって、18-250mmの高倍率ズームで挑みました。というのも、本当ならSAL70300Gが使いたいのですが、前にも書いた通り、このレンズはそこそこ長く重い割に、三脚座が無いのでカメラ固定で三脚を使うとレンズの重さでマウント部の接点が傾くのか、うまくレンズが使えないという問題点があります。
画角的には、250mmと300mmなので、すごい画角差ではありませんが、やはりボケがあんまり…という感じはあります。大きくボカすとそうでもないようですが、小さくボカすと二重ボケしている感じでした。口径食も気になりますし。また、F値的にはF5.6なのでどちらもそんなに変わりませんが、やはり丸ボケが小さいですね。こういうところからも、できれば、F2.8通しの70-200mmが欲しいですね…。せめて、F4通しが出ないのかなぁ…。
三脚と自由雲台にフラストレーションが溜まる…
イルミネーション撮影には、三脚は避けて通れないところがありますが、普段、三脚を使わない人間にとっては、ややフラストレーションが溜まります。というのも、ここ最近は、望遠レンズで部分的に切り取っていくという撮影スタイルが個人的には流行なのですが、自分の目で見ながら構図を探して、そのポイントに三脚とカメラの高さを合わせていくというのが、なかなか難しいんです。揺れのことを考えると、あまりエレベーターを使いたくはない感じはしますが、目線の高さで…となると使わざるを得ない感じになります。また、場合によっては、少し屈んで撮影したい…となると、今度は三脚の足から短くしていかなくてはならないので、これがまた面倒です。そういう意味では、ちょっと面白みが減ってしまう感じはします。まぁ、仕方が無いんですけどね。
あと、雲台については、写真撮影時はほとんどKTSの自由雲台を使っているのですが、微調整しようと思うと、なかなかこちらも難しいです。場合によっては、自由雲台のネジを緩めて動かして、それを固定しようとしてネジを締めると、そのネジの力でちょっと動いてしまいます。ああいったところからすると、確かに3WAY雲台の方が使いやすいような感じはします。
絞りは開放でもいいのかも
どうしても、普段から風景写真を撮る機会が多いと、絞り優先オートでF8あたりで撮影したくなるのですが、できるだけ開放F値で撮影してもいいのかもしれません。
というのも、最近のイルミネーションはLEDが多く、一つの電飾がいろんな色に変わることが多いのですが、これを長い露光時間で撮影すると、いろんな色が混ざって、結局白っぽい光になっちゃうんですよね。それはそれでなんか味気ない感じがします。
あとは被写体ブレの問題も。どうしても、冬場の野外なので、風でイルミネーションも動くので、より望遠側で長い露光時間になると被写体ブレが起きてしまう。
さらに言えば、ISO感度も許容範囲のレベルで上げてしまってもいいかもしれません。私の場合は、今回は場合によってISO-1600まで上げました。これも、もちろん露光時間を短くするため。RAW現像なら、ISO感度の許容範囲も上がりますしね。
そして、もう1つ。これまで、露出補正でややプラス気味で撮影していた私ですが、RAW現像ありきになってくると、こちらもややマイナス気味で撮影して、RAW現像時に+1.0EVした方がシャッター速度を1段稼げます。
クロススクリーン×望遠レンズは結構楽しい
イルミネーション撮影といえば、クロスフィルター。去年は、なかなかいい感じのものが撮影できず、数枚撮影した段階で諦めたのですが、今回は意外とハマりました。そのポイントは、広角側で使うのではなく、望遠側に使うということです。
これが、広角側で使った作例ですが、やっぱりなんというか、うるさすぎるんですよね、フィルターの効果が。なので、昨年は止めてしまったんです。
で、今回は望遠側を撮影するにあたり、先程にもあったとおり、SAL70300Gが三脚使用に適さないこともあり、仕方なくSIGMA 18-250mmの高倍率ズームレンズを用意しました。ただ、このレンズはフィルター径がφ62mm。手持ちのクロスフィルターはφ77mmということで、ステップアップリングを使って合わせました。
これらはいずれも2日目に撮影したのですが、もうこの日は、どうにかしてこのハート型の飾りを使っていい感じに撮影したいと、ひたすら狙っていました。まずは、このハートの中に満月を入れようと試みたのですが、この日はたまに顔を出す程度で、気づいたら隠れてしまう状況。なので、いろいろと悩んでいました。
その構図と合わせて、このクロスフィルターの組み合わせがドンピシャにハマりました。180mm~250mmという望遠で撮影したので、意図的にISO感度を上げてシャッター速度を稼いだりもしました。あとは緑化フェアの夕日撮影以来、こちらもブームになっているシルエット撮影。ちょうど、いい感じでスギ?があったので、背景にイルミネーションの明かりを持ってきて撮りました。
本音をいえば、ピントを合わせたところだけクロスフィルターがかかって、背景のボケは普通の綺麗な丸になれば文句がないんですけどね…。
と思ったら、やっぱりありました。「R-パーシャル・クロススクリーン」と呼ばれるもので、通常のクロススクリーンと異なり、画面の1/4だけにクロス効果を付けることができるフィルターのようです。なので、手前の被写体にだけクロス効果をつけて…という場合は使えそうですね。
動画にもしてみました
今年も昨年に引き続き、動画も撮ってみました。本当なら、パン&チルトすればよかったのですが、先にもあったとおり、自由雲台で撮影に挑んだこともあり、固定での撮影となりました。