由志園 冬のライトアップイルミネーション2017-18(2018.01.07)

イルミネーション

元々は花回廊のイルミネーションを考えていたのだが…

 冬のイルミネーションといえば、いつも鳥取砂丘のイルミネーションが定番化していて、それが最近あまりパッとしないので花回廊に脚を運んだりもしていて、今シーズンも、1月になれば花回廊に行こうかなぁと考えていました。

 しかし、年が明けると、職場の同僚が『由志園のイルミネーションが良かった』という話をしていて、あれこれ調べていると、『これはもしかしたら花回廊よりもいいかもしれない…』と思い、脚を運ぶことにしました。

何気に初めて訪れる由志園

 山陰地方に住んでいる人なら名前ぐらいは聞いたことがあるかもしれない由志園(ゆうしえん)。鳥取県と島根県の間に位置する中海に浮かぶ牡丹の栽培が盛んな大根島にある日本庭園です。

 私も存在自体は知っていましたが、これまで訪れたことはありませんでした。

 鳥取市内からだと2時間ちょっとという感じの距離で、米子空港をすぎて「べた踏み坂」として有名な江島大橋を渡れば案外サクッと到着します。県外からの方であれば、境港の水木しげるロードからだと、橋渡ってすぐみたいなところですね。

 ただ、鳥取県からちょっと西に出ただけという場所ではありますが、冷静に考えれば鳥取から2時間となると大阪の手前ぐらいまで行ける距離ですからね…。

混雑が予想される日はちょい早めがオススメかも

 今回、訪れたのは1月7日(日)。ちょうど正月明けの3連休の中日、しかも3連休の中では一番天気が良かった日で、翌8日が最終日という混雑必至のタイミングでした。人混みが嫌いな私ですが、そうはいっても、天気が悪い(特に風が強い)のはシャッター速度が遅くなるイルミネーション撮影では結構致命傷なので、仕方なくこの日にしました。

ゴメンナサイ、写真は帰りのときの様子です。

 由志園に到着したのは薄暗くなってきた17:40すぎ。この時点で、結構駐車場はギリギリな感じでした。境港側から向かうと由志園の手前のところにある駐車場にドンドン前の車が入っていくので、つられて一度その駐車場に入りましたが、気付けば由志園の目の前の駐車場の方に警備員さんがいて、そちらに誘導していたので、慌ててその駐車場を出てそちらに止めました。

 どうも、あの17:30過ぎという時間帯が本当でギリギリだったみたいで、もう少し遅かったら止める場所に困ったかもしれません。やはり、混雑が予想される時には余裕を持って出かけた方が良さそうです。

 車で機材の確認をして、いざ由志園に向かうと、玄関に着いた段階で長い行列が出来ていました。そう、チケット購入の列でした。後でログを確認したところ、10分ちょっとは並んでいたようです。

チケットは年間入園パスポートがお得な上に楽!?

 実はちょっとしたコツがあるようで、由志園には『年間入園パスポート』というものがあり、1年間何度でも入園出来るというパスがあります。実はこのパスポートがあれば、わざわざ隊列に並ばなくても係員さんに言ってパスポートを見せれば、その日のチケットをくれて隊列をよそ目に入れるようです。しかも、今回だと夜間特別開園なので大人1人900円なのですが、年間入園パスポートは1,200円。つまり、年2回来れば十分元が取れる計算になります。

 実は、年間入園パスポートについては事前に知っていたので、そちらを購入しても良かったのですが、さすがにこの混雑の中、年間パスポートを買うのも気が引けるというところと、今回購入してしまうと来年の年明けにまた行きたいとかなると、微妙なタイミングになってしまう(年間パスポートは、単純に購入してから丸1年という計算みたい)と思い、今回は避けました。なので、もし今年、別のタイミングで行くことがあれば、その時に年間パスポートを購入してもいいかなぁと思っています。

今回の機材は三脚無しで挑戦

 今回は、あえて三脚無し・すべて手持ち撮影で挑みました。

 実は、今回の撮影に向けて一番悩んだのがこの点でした。車にも一様三脚は積んでいましたし。

 それでも手持ちで挑んだのは、1つはこれまでも砂丘や花回廊のイルミネーションで、以外と手持ちで撮影出来たという実績があったということと、その当時よりも明らかに高感度に強いα7RIIIで挑むということ、そして何よりも、混雑が予想される中で三脚を使うのは気が引けるし煩わしいという点。一様、由志園自体、三脚の使用はOKのようです。実際に、三脚を使って撮影をしている人もちょこちょこいましたし。

 ただ、それよりも人が多すぎてまともに三脚を立てる気になれないし、あとで登場する鏡の池の写真は赤橋から狙うのですが、これが結構揺れるので三脚よりもあえて手ブレ補正ONの方がいいんじゃないかという気もするぐらいなんですよね。

 なので、今回はほとんどがα7RIII+SEL24105Gを手持ちで挑んで、ちょっと一部だけα7RIII+SEL70200G、α6500+SEL1018で挑んでいます。

進路順にご紹介

水中花園へ導く青の苑路

 入口から外に出てすぐのイルミネーション。個人的にはこういう和とイルミネーションのコラボって初めてなんだけど、この時点で既にいい感じな予感がヒシヒシとします。

光ファイバー牡丹の水中花『水中花園』

 ちょうど喫茶から窓越しにも見える水中花園。こういう形で見ると地味に映っちゃうのが寂しいところ。

斐伊川和紙と京唐紙の行灯

 この行灯がいい味を出しているんだけど、コレと何か絡めて撮りたくなる。うん、ポートレート撮りたくなります。はい。

 この行灯の側に雪囲いがしてある牡丹がチョコチョコと。さすがにこの時期なんで花としてはあんまり綺麗じゃ無いです。ホントは、こういう牡丹の背後にイルミの丸ボケを入れて…っていうのが理想なんだけどなぁ…。

 行灯を過ぎて、小さな橋のあたりにも水中イルミが広がります。

 この水から光るイルミってのがちょっと斬新です。霧が出る演出もあるのですが、こういうカメラマン的にはちょい機材が怖いんよね…。

 橋を渡って、朱色の門の手前にはちょこちょこ傘が経っていて、背後で遠くにイルミが光るので、丸ボケにして入れたくなる衝動にかられます。この写真、左がSEL24105G・右がSEL70200GMで撮っていますが、特にSEL24105Gで玉ネギボケが結構気になります。

 なので、このあたりはSEL70200GMのF2.8開放。ただ、こちらも結構玉ネギになっちゃいます。

朱色の門

 このあたりからイルミネーションの豪華さが徐々に増してきます。

 この写真を撮りながら『和寂趣彩(わじゃくしゅさい)』って何だろう?ってずっと思っていたのですが、由志園の季刊誌の名前のようですね。何か意味のある言葉なのかな?。

 もちろん、こんな感じで潜っていけますよ。

カレイドスコープイルミ

 朱色の門を通り抜けると登場するのがミストを使ったイルミネーション。ただこれが、見るからに水がポタポタしていて、ちょっとカメラマンには通り抜けるのに勇気が要ります。

七色の扇子イルミ

 そんでもって、ミストを通り抜けるとあらわれるのが扇子状のイルミ。その名の通り、七色に変化をしながら光ります。

 そこからプロジェクションマッピングのところまではちょっと小休止という感じ。

 画になりそうな被写体も無くは無いんだけど、どうにも上手く絡めれない…。

浮世絵マッピング

 ある意味、メインイベントの1つかな。

 写真では写しきれないのですが、浮世絵のプロジェクションマッピングが流れていました。正直、ちゃんと見てないので、どういう無いようなのか全然分からなかったですが…。

黄金のトンネルと稲穂のイルミの棚田

 あらためてこのページを書きながら、こんなタイトルだったんだ…と改めて気付きました。ここはそもそもイルミで結構明るいので、記念写真を撮るならいいですよね。うん、こんなの見たらポートレート撮りたくなりますわ、はい。

スーパームーンと出雲富士

 稲穂イルミを抜けると奥に出雲富士が見えながらデッカい月が…。

 音楽とともにライティングがいろいろと変化をしていきます。

 内側から出雲富士を狙うと、棚が邪魔になってあんまり強い感じじゃないです。

 なので、イルミネーションの下から出てきたところでみんなが写真撮ってましたね。

 ゴメン、ちょっとリア充さんにイラッとしながら撮っちゃいました…(;´Д`)。

枝垂れ桜イルミネーション

 これが結構面白かった桜型のLED。なんちゃーないんですけど、これが案外いい感じに丸ボケと絡められたんですよね。本当は右側みたいに背景が暗いところに桜持ってきて…ってやりたいんだけど、意外と背景が暗いところが作りにくくて大変でしたね。

 隣に竹もあって、それも絡めて狙ったりもしたけど、もうちょっと竹の葉が綺麗だったら良かったんだけど…。

牡丹の館特別展示

 ここでいきなり、牡丹の屋内展示室に入ります。経路がこういう形になっていので通らざるを得ないんだよね…。

 その屋内展示室の外には、和傘が飾られています。

 まあ、なんちゃーない演出なんですけど、カッコイイですよね。

七色の鏡の池

 由志園ならでは、というのがこのライトアップですね。

 これ、実際に見るとホント、圧巻です。

 さすが、これだけ綺麗に池が鏡のように反射をするといい感じに映ります。しかも微妙に色を変化させていきながら…。

 ちょうど赤橋の上から見るのが綺麗なのですが、どうしても橋の手前側で「綺麗!」って立ち止まってしまいますが、橋の中央から向こう側の方が個人的にはいい感じな気がします。ただ、ここでも三脚を使って撮影している人がいましたが、この橋、結構人が歩く度に揺れるので、三脚を使いながらも手ブレ補正はONにした方がいいかもしれません。それか本当に人がいないタイミングを狙うか…。

 実は、私の場合、ちょっと冒険して1/4秒で撮ってみたりもしましたが、案外撮れてました。もちろん、等倍では厳しいですけど、最終的にこのHPや長辺1920ピクセルぐらいなら、十分耐えられますからね。

 ちなみに、こちらがα6500+SEL1018で10mm(35mm換算15mm)の広角で狙うとこんな感じ。やっぱりこういう画は広角が合います。ただ、RAW現像をしながら、α7RIIIとα6500のポテンシャルの差をつくづく感じました。やっぱり、フルサイズ対応の広角レンズ欲しいなぁ…。

 ちょっとしたところなんだけど、こういう道の照明の当て方もなんとも渋くていいよね。

霧の枯山水

 終盤のイルミでいい味を出していたのが、この枯山水のイルミ。

 すごい雰囲気が良くて好きな感じだったんだけど、いざ撮るとなると、霧はあるわ、レーザーは飛んでるわで案外難しいんですよね。

 なんか、パソコンのデスクトップ画面にしてもいいぐらいの味です。

牡丹観音菩薩

 その枯山水の先にあるのがここ。調べてみると「牡丹観音菩薩」だそうです。ちなみに、このハート型のやつは、LEDではなくコップローソクです。

 そして一番最後のところにあるのがこのキツネの面と桜型LEDのイルミ。

 こういう撮り方をすると、ちょっと物騒な感じがしますね。

 で、キツネの面のところから茶房の中に入るようになっていて、ちょうど一周した感じになります。

 茶房とちょっとした展示スペースを出ると元の入口に戻ります。入口とはパネルで仕切られているので、単純には2周目を…というのは出来なさそうです。もしかしたら、係員さんにチケットを見せてもう1周させてって言ったら行けそうな気もしますが…。

講評

皆が口を揃えて言うのは…

 いやあ、思いのほか良かったですね。

 結構人が多かったので、否応でも他の人達の声が聞こえてしまうのですが、皆が口にするのは『花回廊よりもこっちの方がいいじゃん!』という一言。間違いなく、私もそう思いましたね。確かに花回廊は花回廊の良さがあるのですが、年配な人ほど、こっちの方が味があっていいと思う人は多いかもしれません。

 あと、実際、行ってみるまでは、もっとこじんまりとしていて、結構狭いのかなぁと思っていましたが、結構広いです。1回ザッと撮影して回っただけでも、1時間ちょっとはかかりました。

ラスト1時間は結構狙い目

 実際、私が撮影を始めたのが18時過ぎだったのですが、この時点で冒頭にも述べたとおり、チケットを購入するだけでも結構な列になっていました。正直、あの状況からすると、『中に入っても結構な人が多くて、まともに撮影出来るのかなぁ…』という心配がありました。

 ただ、むしろチケット売場である程度入場がバラけることで、思っていたほどは中が大混雑で…というところまではなかった気がします。とはいうものの、朱色の門やプロジェクションマッピングのところのように、他のお客さんが写り込みやすいところなどでは、なかなか人の流れが途切れるというのは結構難しいといえます。

 その一方では、19時を過ぎてくると一気にお客さんがガクンと減りました。まあ、当たり前ですが、ギリギリになってからやって来る人って少ないですからね。なので、特にラストの1時間は結構あれこれ撮りやすくなりました。なので、どうしても三脚を使いたいという人は、あの時間を狙うのがいいのではないでしょうか。

一様は逆流は有りですが…

 今回の私の場合、最後に出口まで行くと2周目が出来るかどうかが分からなかったので、1周目を1時間ちょっとSEL24105Gの標準ズームで狙い、茶房についたところでSEL70200GMにチェンジ。再び茶房から逆流をしながら元の入口まで30分かけて戻りました。その間、SEL70200GMで狙っていたのですが、どうにも上手く撮れる感じが無く、再び入口の外のところでSEL24105Gに戻して、1時間弱でさらに1周をしました。

 やはり、一度ザッと回ると、とりあえずどこにどういう感じのモノがあるのか分かるので、2周目の方がテキパキ撮影がはかどります。あとは、先の話の通り、最後の1時間が結構人が減ったので、心おきなく撮れた感じでした。

思っていたよりも暗い印象

 実は、今回撮影していて一番感じていたのは、過去に花回廊や砂丘のイルミネーションで撮影していたよりも、結構暗いなぁという印象です。

 たとえば、過去の砂丘のイルミネーションだと、

 ・F4.0、1/60s、ISO-1600【EV6.0】 ・F4.0、1/80s、ISO-800【EV7.3】

 だったりしますし、花回廊でも

 ・F4.0、1/60s、ISO-500【EV=7.7】 ・F4.0、1/50s、ISO-1600【EV=5.7】

 だったりしました。それが、今回の撮影だと、

 ・F4.0、1/4s、ISO-640【EV=3.3】 ・F4.0、1/30s、ISO-6400【EV=3.0】

 なんてのも結構あります。

 これ、冷静に考えたらそうなのですが、本当のイルミネーションを撮影したものは、割と明るいのですが、要はライトアップされたものがかなり暗いんですよね。そりゃそうですよね、自分で発光するものよりも、照らされたものの方が暗くなりますもんね。なので、一番厳しかったのが七色の鏡の池で、あれがEV=3.3でした。

出来れば他の季節にも来てみたい由志園

 今回の撮影で、由志園の雰囲気も分かったので、是非、イルミネーション以外のタイミングでも訪れてみたいですね。

 HPによると、牡丹の見頃は4~5月で、ゴールデンウイークには3万輪の牡丹を池に浮かべる池泉牡丹が行われるとのこと。秋の紅葉も、あの鏡の池は見てみたいですね。紅葉ライトアップもあるようだし。ちょっと今年は要チェックしておこっと。

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