鳥取しゃんしゃん祭り 2016(2016.08.14)

しゃんしゃん祭

2015年 2016年 2017年 2018年 2019年

今年で2回目となるしゃんしゃん祭り

 しゃんしゃん祭りといえば、鳥取を代表する夏まつりの1つ。昨年は仕事の関係もあり、勝手にしゃんしゃん祭りの自称撮影係をかって出て踊りを撮影することになったのですが、今回は職場から公式(!?)に「カメラマンをやってくれませんか?」と依頼が来ました。まあ、言われなくてもする予定だったけどね。

 これが、本当に難しいんですよね。

 年に1回しかないという緊張感と何より暗さとの戦い。これは本当にカメラマンとしての腕が試されると行っても過言ではないと思います。実際、昨年は私以外にも同じ職場からほかに2名が一眼レフ片手に撮影していましたが、私を含めた3人が、終始、「暗い!」「AF合わんわ!」「ブレる!」と叫びまくり、みんなが揃って自信を無くした想い出があります。

毎年悩まされる機材選定

 だからこそ、まずは重要になってくるのが機材選定です。カメラは腕ももちろんありますが、やはりカメラやレンズのポテンシャルというのは超えられませんからね。

 昨年はα77Ⅱ+70-200mm F2.8とα6000+16-70mm F4の組み合わせで撮りました。

 本来なら標準域は、α77+DT 16-50mmで行っても良かったのですが、AF域の広さを考慮したらα6000の方が都合がいいかなぁと思ってこの組み合わせにしました。

2015年のEV値はこうだった

 昨年撮影したデータのExifデータを改めて時系列に分析してみると、18:30から19:30にかけての1時間でEV値が10から4まで一気に低下する。去年は晴天だったので、天気が良ければほぼほぼこれぐらいの明るさだと思っていい。逆に19:30以降は、EV4で比較的安定してくるといえる。

 では、このEV値の変化を元に、F4通しレンズで撮影した場合に、時間経過と共にISO感度がどうなるのかを考えてみると、下のようなグラフになる。

 標準域では、シャッター速度は1/125s~1/60s程度は欲しいと考えれば、ISO感度は6,400~12,800は欲しい所になる。

 一方で悩ましいのは望遠側。焦点距離が長い分、必然的に速いシャッター速度が必要になる。そのため、望遠側ではできれば1/250s~1/125sは欲しいところだが、そうなると、ISO感度は12,800~25,600は欲しくなる

 ちなみに、余談だけれども、一般的なダブルズームレンズキットに付いてくる望遠レンズだと、だいたいF5.6~F6.3ってところなので、実にこのグラフからさらに1段~1.3段ISO感度が上がることになるので、ISO-3,200なんかどとシャッター速度は1/13s~1/15sという途方も無い数字になる。こういうところからも、その辺の一眼レフとレンズを持ってきて、パパッと撮れるもんじゃないってことですよね。

手持ちカメラの高感度耐性

 先日の結婚式でもそうでしたが、もう私的にはAマウント機はα77Ⅱだけだし、レンズもAマウントは5本しかない。そのうち、祭りで使えそうなのは、70-200mm F2.8、DT 16-50mm F2.8、SIGMA 18-35mm F1.5の3本しかない。

 がしかし、何より苦しいのは、α77Ⅱがそれほど高感度に強くないこと。実は、昨年の段階でも、α77Ⅱとα6000を比べたときに、高感度耐性はα6000の方がやや上で、特にα77ⅡではISO-3200が限界のように思う。

 実際にこのページでカメラごとのISO感度を操作した場合のノイズ等を見ることが出来ますが、これを見てもあきらかに

 [高感度に強い]α6300 > α6000 >NEX-5T > α77Ⅱ [高感度に弱い]

 というように見えます。といっても、α6300からα77Ⅱまでギリギリ1段は無いかなぁといった雰囲気。

 この並びって、センサー評価で有名なDxOのLow-Light ISOのスコアを見ると、

 [ExO Score]α6300(1,437) > α6000(1,347) > NEX-5T(1,015) ≒ α77Ⅱ(1,013)

 という感じで、面白いほど同じです。5Tとα77Ⅱの差は、TLMの差があるのかもしれません。

 こうなると、とりあえず今年の手持ちのカメラとしては一番α6300が高感度には強いのは間違いなさそうです(当たり前と言えば当たり前ですが…)。ちなみに、さきのページで、ISO-12,800に上げたものがこんな感じです。ISO-6400のときよりもα6300が頭一つ抜き出ている感じがします。α6000では、ISO-12,800になるとさすがに使えない感はありましたが、α6300なら緊急時にはISO-12,800は使えそうな感じです。

では、2016年の機材選定は?

 これらを踏まえて用意をした機材はこちらです。

 まず、標準域はα6300 + 16-70mm F4の組み合わせ。先にも述べたとおり、α6300であれば、ノイズ的にもISO-AUTO 最大値6,400でおおむね撮れそうだし、緊急時にはISO-12,800も使えそう。これなら、まずまず標準域でのシャッター速度は確保できそう。もし、終盤に暗さで厳しくなれば、SIGMA 18-35mm F1.8をLA-EA3経由で使えば、2段ちょっと分は稼げるので、これでどうにかならないか…という戦略だ。

 問題は望遠域。ISO感度が12,800や25,600がバシバシ使いたいとなると、もはやAPS-C機では苦しくなる。SONYのフルサイズ機で言えば、α7RⅡが理想的ではあるが、さすがに手が出せる金額ではない。いくつか、レンタルできる店もあるが、レンタル金額も高い上に、レンタルに対しても別途審査が必要だったりと、何かと面倒…。

 そこで、今回意を決して手を出したのがこちら…

 そうです。α7SⅡです。

 泣く子も黙るSONYの高感度専門機。画素数が少ないのが心もとないですし、像面位相差AF非搭載なのでAF速度がどれくらいのものなのかというのが未知数ではありましたが、高感度に強いのは間違いないですから。

 実際にこちらのサイトを見ても、α6300とのポテンシャルの違いは明か。ノイズだけいえば、α6300に対して2段ぐらい余裕はありそうで、ISO-12,800なんてへっちゃらで、ISO-25,600ならまだまだ使えるといった感じ。これは期待が持てそうです。

 ただ、言っておきますが、

 今回、このカメラ買ってませんから!

 あくまでレンタルですからね!

 普通に買ったら40万円クラスのカメラですから。

 今回は、ビデオエイペックスさんで借りました。金額だけ見れば、楽にEOS 5D MarkⅢとかD4なんかが借りれてしまう金額です。本当はD500を使ってみたいなぁ…という思いはありましたが、やっぱりそこはソニーユーザーですから、ソニーを使わないわけにはいかないでしょ!。

 レンズは、間に合えばGマスターのナナニッパをレンタルで…とも思いましたが、まだ国内発売されてませんので、手持ちの70-200mm F4で。また、今回レンタルしたお店では縦位置グリップも借りることが出来たので、そちらも使ってみました。

意外とオススメな本通りパーキング

 昨年の記事では、「あまり近くの駐車場に置くと、行きにくいし、帰りにくいのであまりオススメしない」と語っていたのですが、実は今年は本通りパーキング(8:00~20:00 100円/30分毎、20:00~8:00 50円/30分毎)に駐車しました。

 地元の人なら知っていると思いますが、本通りパーキングって、旧袋川沿いの若桜街道と智頭街道の間にある駐車場です。しゃんしゃん祭りでいえば、ちょうど会場のど真ん中に位置する駐車場です。実は私自身、ここに止める気はあまりなかったのですが、しゃんしゃんの前段の所用があり、その関係でここに駐車しました。

 会場に近い駐車場なので、さぞかし混むのであろうと思いきや、実は灯台下暗しで、結構ガラガラでした。私も終始見ていたわけではありませんが、第2部が始まる前でも、2階でもガラガラという感じじゃなかったでしょうか。

 やはり、ここの駐車場は、上の図にもあるとおり、若桜街道が15:15から交通規制がかかる関係で、そうそう近づけなくなるので、それで皆さんが敬遠されるのでしょう。でも、実際には15:15を過ぎても入ってくる車はいて、どうやら警備員の指示の元、普通ではあり得ない西側からの逆走(通常、本通りパーキングの前の道は、東側からの一方通行)させて駐車場に入れさせていました。なので、ルートを選べば、若桜街道が通行止めになった後も入れそうです。

 これは、逆のことも言えて、帰りの際も、一見すると若桜街道や智頭街道の交通規制が解除されないと帰れないと思いきや、実は一方通行の指示に従って、大平線通りまで出れば、実は帰ることが出来ます。確かに、踊りが終わった後で人通りが多いので注意をして運転をする必要がありますが、実際に撮影をしていた所から駐車場に戻ってきて、それから出発するとなれば、人混みのピークは若干過ぎているので、それほど心配もありません。それに、そもそもここの駐車場に止めている車も少ないので、特に渋滞もなく、すんなり帰れました。

 この駐車場は、若桜橋まで歩いて1分という距離が何よりの魅力です。ですので、私自身、第1部が始まる数分前まで車で待機して、16時になったら若桜橋で練習撮影をして、しばらくしてまた車に戻って本仕様の準備をして…というのに大変重宝しました。なので、ある程度、機材が多い人だったり、どのレンズにしようか迷っているけど、あまり荷物は増やしたくない…という人なんかにはオススメです。また、あとでも述べますが、脚立を持参したいという場合も悪くないでしょう。

総評

 やはり、今年は2年目という強みは大きいです。

 ほんと、1回でも実際にしゃんしゃんに参加したことがあるという意義は大きいです。逆に言えば、パパッと来て撮るにはとてもツラいというのが正直なところです。そして、何より撮影環境が特殊なので、それを理解した上で、構図や画角、場所、向きなどをつかむ必要があります。

自分の機材のポテンシャルを十分に理解しておくこと

 正直、ここまで過酷な撮影になってくると、自分のカメラのポテンシャルを十分に理解した上で、そのポテンシャルをフルに引き出すのは非常に大切です。正直、去年はなめてました。まさか、あんなに暗いとは…あんなに撮りにくいとは…。

 やはり、2年目ということで、それ相応の覚悟が出来るので、この暗さにどうやって立ち向かうのか、何処までなら手持ちの機材で戦えるのかを十分理解しておくことです。それこそ、先程の機材選定のところの内容ですよね。写真は、半分は理論的な側面があるので、計算ができますからね。

 そして、必要に応じて、カメラやレンズをレンタルするというのも考えるべきだと思います。鳥取のような田舎ではメジャーではないですが、都会ではちょこちょこあるようです。もちろん、田舎でもネットで借りれる時代ですからね。私のようにSONYユーザーだと選択肢が圧倒的に少ないですが、NikonやCanonであれば、選択肢は間違いなく増えるはず。普段、APS-C機を使っている人だって、フルサイズのボディを1万そこそこで借りるだけで、ISO感度は2段ぐらい稼げたりしますから。もちろん、そのカメラが買えれば一番いいでしょうが、こういう特殊な撮影がいつもあるという人でなければ、レンタルは活用すべきだと思います。

何気に公式撮影係は難しい…

 昨年はあくまで「自称撮影係」でしたが、今年は「公式な撮影係」。となると、やはりザッと全員を撮影する必要があります。といっても、同じ職場とはいえ、私自身、踊り子全員を知っている訳では無いので、どうしても知っている人を優先的に撮りがちになりますよね。それを、「いやいや、みんなを撮らないといけないから…」と思って撮影するのは意外と大変でした。

 当たり前ですが、撮影するとしても、本当の祭公式のタスキをもらって、中に入ってもいい許可をもらっていれば別ですが、通常の撮影係であれば、進行方向右側か左側のいずれかの沿道で撮影をしなければなりあません。そうなると、特に若桜街道なんかでは、そうそう入れ替わりは出来ません(まず警備員さんに止められてしまう)。なので、否応でも偏ってしまいます。

傘踊りでよく登場するポジションだけど、
進行方向右側から撮影するとこのポジションで必ず腕や傘の柄が顔にかかってしまう

こちらも傘踊りでよく登場するポジションだけど、
今度は進行方向左側から撮影すると必ず腕や傘の柄が顔にかかってしまう

 なので、もしこの記事を読んで、撮影係を頼まれて…なんて方がいたら、2人組でされることを強くオススメします。そうすると、両側から狙う事が出来るので、写真が偏ることも少なくなります。私の場合も、私とは別に、広報担当の撮影係の人もいたので、その人と両側に分かれて撮影をするというスタイルを撮りました。これ、何気に大事です。

シャッター速度優先で

 去年は終始、絞り優先で撮影していましたが、今年は完全にシャッター速度優先で撮影をしました。

 これは、どうしてかというと、こういう暗い場面で絞り優先で撮影していると、許容できないぐらいのシャッター速度にまで落ちてしまうことがちょくちょくあり、やはり画角に応じたシャッター速度で撮影して、あとは絞りとISO感度をカメラで決めてもらった方が失敗が少ないという点があります。

 しかも、こういう踊りでの写真となると、パキッと止まるのもいいですが、ある程度許容できるぐらいの被写体ブレが起きている方が雰囲気があるんですよね。特に、しゃんしゃんの場合は、傘が回ったり、傘を振ったりするので、傘が少々ブレている方がいいと私は思うんです。もちろん、少々失敗策は増えますけどね…。あと、そのおかげでISO感度も少々稼げます。

 なので、今回は標準を担当するα6300の方は、1/50s~1/60sを目安に、望遠を担当するα7SⅡは1/160sを目安に設定しましたし、

【ISO感度】最低でもISO-6,400、できればISO-12,800が使えるカメラで

 このグラフが、今年の私が撮影した写真のExifデータを元にEV値を計算して、時系列にグラフにしたものです。

 青が標準ズームを装着していたα6300、赤が望遠ズームを装着していたα7SⅡです。やはり、傾向は昨年と同じで、開始直後がEV値10程度で、19:15ぐらいにはEV値4~6程度に落ちてきます。

 で、EV値4の場合で、絞りとシャッター速度によって、どれぐらいのISO感度になるのか、簡単に表にまとめてみました。

1/60s 1/90s 1/125s 1/180s 1/250s
F1.4 800 1,100 1,600 2,200 3,200
F1.8 1,250 2,000 2,500 4,000 5,000
F2.0 1,600 2,200 3,200 4,500 6,400
F2.8 3,200 4,500 6,400 9,000 12,800
F4.0 6,400 9,000 12,800 18,000 25,600
F5.6 12,800 18,000 25,600 36,000 51,200
F6.3 25,600 36,000 51,200 40,000 102,400

 どれくらいのシャッター速度を確保するのかにもよりますが、標準画角では少なからずISO-6,400は欲しいところですよね。さらに望遠になると、そこそこのシャッター速度が必要になるので、ISO-12,800が使えると安心感はあるでしょうね。

 これが実際のISO感度の状況ですが、標準画角のα6300はそのほとんどがISO-6,400で、それを超えたものは2%に過ぎません。しかし、望遠画角のα7SⅡではISO-25,600まで行っています。そりゃそうですよね。去年はα77Ⅱ+ナナニッパで撮影しましたが、ISO-3,200をMAXで撮影していたので、望遠なのにシャッター速度が1/50sなんてザラでしたからね。これがもし、Eマウントレンズにナナニッパレンズが登場してくれば、ISO-12,800で十分狙えるでしょうね。

【画角】フルサイズ200mmは少々力不足?

 今回、望遠レンズはフルサイズのα7SⅡに70-200mm F4を装着していたので、それこそ35mm換算はそのまま。これまで、70-200mmのレンズをAPS-Cで運用してきたものとしては、この1.5倍の焦点距離分の差は意外と大きいです。

 もちろん、結婚式のように足で稼ぐことも出来なくはないですが、特に若桜街道での撮影は、あんまり移動すると他の方の迷惑になる。さらに、中央側の踊り子を狙おうとすると、やはり35mm換算200mmでは少々約不足感はありますね。一様、念のため70-300mm Gも持ってはいましたが、これを使うと、またISO感度が1段分高くなるのでちょっと苦しいですからね…。

α7SⅡに対する評価

 今回、レンタルで投入したα7SⅡ。私にとっては、実は初めてのフルサイズ仕様ということもあり、その点も踏まえて使用感をまとめて見ました。

圧倒的な高感度への強さ

 今回の撮影で、α7SⅡのISO感度の数値を見てみると、先程グラフでを示したとおり、なんとISO-3,200以下は全体の24.3%にすぎず、ISO-6,400以下でもまだ47%。つまり逆をいえば、ISO-6,400よりも高いものが半分チョットはあるという状態で、やはりこの点はα7SⅡ様々といったところです。

 実際に撮影時は、非圧縮RAWで撮影し、Lightroomでノイズ補正をかけてRAW現像しましたが、ノイズ軽減の輝度とディテールをそれぞれ80に設定すれば、ISO-25,600でもほとんどノイズは気にならなくなります

たまたま他の連の方を練習がてら撮影していたものですが、これでISO-25,600です。

 もちろん、少しノペッとした感じになりますが、元々、シャッター速度1/160sで撮影していたのでパキッとすることはないし、そもそもα7SⅡ自体が画素数が低く解像度が高くないので、そこを求めたらダメですからね。

 これ、むしろ静止画なら同程度ともいわれているα7RⅡで撮ったらどうなるのか興味津々です。

AFの速度と追従性

 そもそも論として、今回のα7SⅡがしゃんしゃん祭りの昼前には自宅に届き、翌日の撮影のためにいろいろとチェックをしていた訳ですが、その時点で気になったのは、やはりAF。

 AFは、やはり祭りでの撮影とあって、コンティニュアスAFであるAF-Cで撮影したいのだが、率直にAFの追従性が悪い印象。そして、α6000やα6300のように、AF-Cでの追従中に何処にAFを合わしているのかAFポイントの枠が表示されない(AF-Sなどでは表示される)ので、それはそれでちょっと不安な感じ。

 そして何より、当日時間があったので、16時からの第1部の踊りを予行練習がてら撮影できたのですが、この時点でもうパニックでした。何故かというと、普通にAFエリアをワイドにしていたら、AFが合うのにメッチャ時間がかかる。実際に測ったわけではありませんが、それこそ3~5秒ぐらいかかる感じ。せっかくなので、顔認識オンで撮影したいので、こうしたのですが、これがもうツラいのなんのって…。

 単純なエリア選択でもダメ。AF-Cだからかなぁ…と思ったけど、AF-SやDMFにすると多少は早いものの、それでも遅い。一時は、MFにして手動でピントを合わせていこうかなぁとも思ったけど、実際、こんなことを2時間半もやってたら間違いなくぶっ倒れます。正直、この時点では、望遠をα6300にして、標準をα6000にするか…なんて考えていました。

 で、あれこれ試行錯誤したのちに、私が出した結論は、フレキシブルポイントで任意のポイントでAF点を選ぶというやり方でした。

 こうすることで、明らかに「ここでピントを合わせて!」という設定になるので、AF速度が格段に上がります。ただ、実はこれでもα6000にも及ばないAF速度・精度でしか無いのですが、それでもAFが合わないよりはマシと思ってこれを選択しました。しかも、望遠の場合は、右上1/3のポイントか、左上1/3のポイントのいずれかに顔を持ってくることがほとんどなので、それほど苦にならないですしね。

 ちなみに、このやり方で言えば、暗くなってきてもAFが遅くなるという感触はなく、明るい時間も暗い時間もAFの速度はほとんど変わらない印象でした。

被写界深度の浅さ

 これはもう、フルサイズ機なのだから仕方が無いのですが、やはり普段APS-Cを使っていて、フルサイズ機を使うと、被写界深度が浅く、ボケ感が全然違います。APS-Cだと、まだ後ろ隣の人なんかが見切れて入っても、それなりに分かるような感じもありますが、フルサイズだと1人が限界です。やはり、この点は気をつけて撮影しないと大変です。そして何より、この点からもMFでの撮影というのはなかなか容易な話ではないということも言えます。

 一方、ボケやすさから、丸ボケを入れやすいというのもあります。無論、F4開放での撮影なので、口径食が出てしまうのは仕方がありませんが、構図と角度によっては結構いい感じに丸ボケを入れることが出来るので、その点は上手く狙いたいですね。

シャッターボタンのフィーリング

 これも、前日にチェックしていて気になったこと。シャッターボタンのフィーリングは、カメラ本体のシャッターはもちろんだが、縦位置グリップのシャッターも半押しの感覚が分かりにくく、正直、どこまでどれぐらい押したらAFが合って、シャッターが切れるのかという雰囲気が掴めなかった

 ただ、これは実際に撮影をしていると徐々に感覚をつかんでいたので、それほど致命傷なことではなかった。

バッテリーの持ち

 これは、結構テスト撮影をしていた段階で、見る見ると減っていっていたので、「途中でバッテリーチェンジしないといけないかなぁ…」なんて思っていましたが、結構保ってましたね。

 結局、1本目が20%ぐらい減ったところで終わりました。なので、1台だけでフルで撮影しようと思うとバッテリー2本いるかもしれませんが、バッテリーグリップ装着して2本付けていれば、まぁまぁ交換無しで撮れるのではないでしょうか。

α6300に対する評価

終始、AFがくたばる場面無し!

 今回のα6300は16-70mmのAFとの組み合わせで、始めから最後まで撮影したのですが、昨年、α6000が同様のポジションで、ラスト30分ぐらいがAFが合わなくて苦労しましたが、α6300では、AFに困るということはほぼありませんでした。実は今年は、去年よりも智頭街道に入ってくる時間が早く、暗くなるのも早い感じでしたが、全然問題なしでした。

高感度もなかなかなもの

 高感度に関しては、正直、α7SⅡを見てしまうと、どうしてもその差を感じてしまいますが、α6300も意外と粘ってくれます。

これでISO-6,400。これぐらいなら全然へっちゃら。

これでISO-10,000。Lightroomでノイズ軽減処理してますが、問題ないレベルでしょ!

 そもそも、ある程度の画素数があるので、ノイズが出ていたとしても、等倍表示をせず、それこそフルHD画質ぐらいで見るのであれば、私の感じた限りでは、ISO-8,000ぐらいなら十分、ISO-12,800あたりでギリギリかなぁというところです。ただ、さすがにこれより上になると、画素数を落としてみたとしても、ノイジーな感じはどうしても見えてしまいます。

 これ、冷静に考えれば、もしAPS-C機で裏面照射型のセンサー登場すれば…もう、それで十分な気もするな。

来年はα6300+70-200mm F2.8でイケる!?

 いやぁ、ますます持って、α6300の底力を見せつけられた感じはします。

 これだけAFが決まって、高感度も勝負が出来るのであれば、来年の望遠側はα6300でも十分メインを張れるんじゃないかなぁ?と思ってしまうほど。今年の雰囲気からすれば、ナナニッパレンズ(おそらく来年はレンタルできるだろうから…)を使えば、ISO-12,800以下で収まりそうな気がするもんな。

 正直、これで12万円ぐらいでしょ。下手な一眼買うより絶対いいと思うな。ああ、お願いだから、α6300の基本性能はそのままに、α7Ⅱのボディにボディ内手ブレ補正を搭載してくれたら、マジで買いますよ。いや、正直、α6300が2台欲しいと思うもんな。それともα7Ⅲがそろそろ…。

 あと、そろそろSIGMAさん、TAMRONさんでもいいから、Eマウントのナナニッパレンズ出してくれないかなぁ…。絶対売れると思うよ。もちろん、お値段は10万円ちょっとで…。

ストロボは使わずじまい

 昨年はちょこちょこスローシンクロでの撮影も挑戦をしていたのですが、今回はα6300もα7SⅡも暗くてもバシバシ写るので、あえてストロボ使わずに行きました。一箇所、ちょっと試しに使いましたが、あんまりいい感じじゃなかったので、「ああ、もういいわ」と数枚しか撮影しませんでした。

 たぶん、来年はストロボは付けずですね。

カメラマンオーラを出すのは意外と大事

 ちょくちょくこのサイトでも述べていますが、こういうイベントなんかでカメラマンをする場合に、「あっ、この人はカメラマンなんだ」と思わせるオーラを出すというのは非常に大事です。何故かというと、これだけ人が多いイベントで、どうしてもその人達の前で撮影をしなければいけなくなります。そういうときに、「オイオイ、なんだこのオッサン!、邪魔だぞ!」と思われるか、「ああ、カメラマンか」と思われるのかは結構違います。

 もちろん、動き自体も後ろを気にしつつ、時にはしゃがんだりしながら撮影をすることも大切ですが、オーラも重要です。実は、結構一眼レフを持って撮影している人はよくいます。そういった中でオーラを出すのは、やはり外付けストロボだったり、白い望遠レンズ、縦位置グリップあたりです。やはり、このあたりが付いていると、なんか、専属カメラマンなのかな…って思いますからね。あとは、2台持ちもそうですかね。

脚立は意外と欲しい

 これは、本当に思いましたね。確かにところどころ、歩道際に縁石があったりはするのですが、やはりちょっと上目から撮影したいんですよね。そうなると、2~3段でいいから欲しいです。実際、若桜街道のあたりにいるカメラマンは結構持参している人多いです。休憩用の椅子にも使えますし。

 とはいっても、実際問題、若桜街道では始めから場所取りをしているようなところでなければ、脚立を持って移動というのはほぼ無理と思った方がいいです。もし、私が使ったとしても、太平線通り以降になると思います。ここなら、人通りも少ないし、警備員もほとんどいないので、結構使えると思います。

 ってなると、その連がどの時間にどういう移動をするのかにもよりますが、太平線通りのあたりに事前に脚立を置いておいて、そこに到着したら使うというのが結構いいかも。個人的には、ロータリーや智頭橋の北側あたりが使うにはいい場所かなぁと思います。

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