サーキット撮影のススメ *マシン編*

(最終更新:2020.0801)

 私が、サーキットで本格的に撮影するようになったの2013年からなので、もう8年目になります。実は、それまでは今とは真逆なぐらい、風景とか花とか、止まっているものばかりを撮影していたのですが、「新しいものに挑戦しなければ…」と思って、試しに2013年の春に岡山国際サーキットのファン感謝デーに行ったのが始まりでした。

 別にそれほど自分でも上手いと思っていないし、毎回、「ああしていればよかった…」と思うことも多々ありますが、なかなかこういう内容をまとめている記事も無かったので、自分の中の整理も含めて、ちょっと紹介したいと思います。

マシン編 マシン×Eマウント編 レースクイーン編 サーキット必需品編

 1.機材編

1-1.カメラ選び

 昨今、カメラには、一眼レフ・ミラーレス・コンデジ・スマホの4タイプがあるわけですが…

 といったところです。

 まず、コンデジやスマホでの撮影は難しいです。

 スマホでは、そもそも望遠が効かないという根本的な欠点がありますし、コンデジでもAFが付いていきません。また、「レリーズタイムラグ」といってシャッターを押してから実際に撮影できるまでのタイムラグがあるので、うまく撮影ができません。

 なので、大概はAF速度が速いミラーレス機か一眼レフで撮影するというのが一般的です。

私のサーキットデビューは、α55+70-300mm Gレンズの組み合わせでした。

 あとは、性能が良いカメラほど、AF速度が早く、追従性能が良いので、成功確率が上がります。なので、ミラーレス機や入門機の一眼レフでも撮れない…という訳ではなく、成功確率が下がると思えば問題はないと思います。

センサーサイズは、大きすぎるのは良し悪し

 一方で、考えた方がいいのはセンサーサイズです。確かに、センサーサイズが大きい方が、画質的にはいいのですが、サーキット撮影であまり大きなサイズのセンサーを使うと、焦点距離が大きいレンズが必要になり、必然的にレンズも大きく高価なものになります

 なので、大概の場合は、APS-Cサイズのフラッグシップ機を使うことが多いです。

実はレンズ選びからカメラが決まることも

 これが実は難しいところで、どうしてもサーキットでマシンを撮影をしようとすると、望遠レンズが必要になります。しかし、実はメーカーによってこの望遠レンズのラインナップが大きく異なります。

 しかも、純正品のレンズは高いので、SIGMAやTAMRONといったサードパーティー製のレンズを…と考えると、必然的にCanonかNikonの2択になってしまうんですよね。

 なので、どの望遠レンズで撮るかによって、自動的に機種が決まるというのはよくある話ですし、現状、ミラーレス機でサーキットを撮影することの一番の障壁はこのレンズ問題(要はサーキット撮影に適したレンズが無い/少ない/高価)だったりします。

1-2.レンズ選び

 カメラが決まったところで、続いてレンズのチョイスになります。正直、レンズは望遠があればあるほど良いわけですが、サーキットやそれぞれのコーナーによって撮影できる場所からマシンまでの距離が異なるので、一概には言えませんが…

 といったところでしょうか。

α77+70-300mm Gレンズの組み合わせ。
70-300mmのいいところは手持ち撮影がやりやすいところですよね。

 私自身は、2014年までは300mmの望遠レンズをAPS-C機で撮影していました(換算450mm)。このサイズまでなら、まだ気軽に持って行けるサイズだと思いますし、手持ち撮影もできると思います。また、レンズ自体も、サードパーティー製であれば、意外とお手頃なものが多いので、気軽にステップアップできると思います。

レンズと三脚座の存在

これが、400mmを超えてくると、なかなか手持ちの撮影は難しくなります

2015は、α77Ⅱ+70-400mm Gレンズの組み合わせが定番に。
この70-400mmを使うようになってから、一脚は必須になりました。

 もちろん、出来なくはないですが、かなり腕がプルプルしてしまいます。なので、こういった大きいレンズになると、やはり一脚の使用が前提となってきます。

 そうなってくると、必然とカメラボディの三脚穴を使わずに、レンズ側に一脚を取り付けることが出来る「三脚座」があるものが欲しくなってきます。(っていうか、このサイズになってくると必然と付いてくるんですけどね…)

2016は、このα77Ⅱ+150-600mmの組み合わせが定番になりました。

 そして、実際にサーキットに行くとよく分かるのですが、このレベルのレンズを手にしている人をよく目にします。以前は、SIGMAの50-500mmや150-500mmが多かったですが、最近はTAMRONやSIGMAの150-600mmが徐々に増えてきている感じがします。やっぱり、一番はコストパフォーマンスですよね。10万円とかで買えちゃうわけですから。

 また、理想の明るいレンズとは、400mm F2.8(いわゆるヨンニッパ)や500mm F4(いわゆるゴーヨン)なんてレンズがそれにあたります。もうここまで来ると、プロでしょ!ってレベルになりますが、案外サーキットに行くとこういうレンズを持っている人がゴロゴロといるんですよね。正直、考えられないんですけど…。

 どうして明るいレンズを使うのかというと、フェンスをボカすことができるからです(詳しくは後の項を参照)。ただし、明るいレンズはメチャクチャ高いですし、流そうと思ったら、NDフィルターが必須ですので、その点も大変なんですけどね。

オイシい焦点距離は600-900mm

 これは、私が今まで撮影してきた実感として、これぐらいの焦点距離が欲しいなぁというものを、私が撮影経験がある岡山、鈴鹿、オートポリスの3つをまとめたものです。

 これを冷静に見ても、600mmあたりから900mmのあたりにちょうど美味しいゾーンがあることが分ります。もちろん、トリミングとかをすればこの焦点距離にこだわる必要はないかもしれませんが、私としてはこれぐらいは欲しいというところです。そう考えると、近年はSIGMAやTAMRONが出す150-600mmというレンズがスタンダードになりつつあるというのはとても納得します。

 基本、私のページはExifを画像に記載するようにしているので、その焦点距離を参考にしていただけると幸いです。

1-3.ミラーレス機で狙えるのか?

 以前は「サーキット撮影=一眼レフ」という固定概念みたいなものがありましたが、今では、ミラーレス機のAF性能が向上してきたので、ミラーレス機でも撮れるようになってきました。何を隠そう、私自身、ここ最近はミラーレス機で撮影していますし、サーキットで周囲を見回しても、2019年あたりから一気にミラーレス化している印象です。

もはや、ミラーレスでも当たり前のようにサーキット撮影できる時代に…

 個人的には、ミラーレス機で注意をしたいのは、AFの速さよりもEVFの表示タイムラグのような気がします。もちろん、撮れない訳ではありませんが、撮りにくいのは間違いありません。その点、現状の各社のフラッグシップ機であるα6600/6400、OM-D E-M1 MarkⅡといった機種はEVFの表示タイムラグを最小限に抑えてあり、ファインダーの追従性は良くなっていると思います。

 実際に、私がミラーレス機で撮影している様子と作品は、こちらの動画でも紹介しているので、一度ご覧頂けると幸いです。

ミラーレス機最大のネックは、実はレンズ!?

 これは、結構な落とし穴です。

 実はミラーレス機でのサーキット撮影で大きな問題なのは、望遠レンズがあるかどうかということだったりします。特に35mm換算で450mmを超えてくると、それなりなレンズが必要になるわけですが、ミラーレス機用の望遠レンズというのは、サードパーティー製がまだほとんど発売されていないので、仕方なく高い純正の望遠レンズを買う必要があり、結構なコスト高になってしまいます。(しかも、メーカーによってはまだラインナップ不足なところもありますし…)

SONYの場合

 SONYの場合、センサーサイズはフルサイズとAPS-Cの2つのサイズがありますが、フルサイズでいけばα7III、APS-Cでいけばα6600/6400あたりが機種としては無難なチョイスでしょう。

 それに対して、望遠レンズが純正で4本ある上に、SIGMAから100-400mmも登場してきたことで、非常に選択肢が増えてきました。

 簡単にまとめてみましたが、是非参考にして頂けるといいと思います。赤い方がフルサイズ運用、青い方がAPS-C機運用です。私が思うに、600-900mm前後が美味しい焦点距離があるので、そこをカバーすることを考えるといいと思います。

 APS-C機での運用を考えるなら、SIGMA 100-400mmで150-600mmという運用は、入門機としては結構いいと思います。11万円を切るお値段もさることながら、三脚座も別途取付け可能なのでより本格的な撮影もOKです(個人的にも一度試してみたいぐらい)。

 ただ唯一残念なのは、SIGMA 100-400mmはEマウントではテレコン未発売な上、純正テレコンも非対応とのこと(絞り・AFが非連動)

 また、2021年6月にはTAMRONから150-500mmが発売されるたので、コイツも結構重宝しそうな予感がします。

 また、個人的には、100-400mmを考えるのであれば、70-350mm Gもいいと思います。別途記事にもしていますが、非常に写りはいいですし、何よりもコンパクトです。

 一方、フルサイズ機での運用を考えると、100-400mmはやや望遠域が足りない感じは否めないので、どうしてもテレコン運用を考えてくると、100400GMもしくは200600Gという組み合わせが現実的だと思います。でという感じになります。

 個人的には、フルサイズ運用なら、迷わず200600Gをオススメします。やはり、テレコンを装着すればするほど、GMレンズとはいえ画質は落ちるし、何より200600Gはバランスがちょうどいい。

 やはり、SONYの強みは先行者ならではのレンズラインナップでしょうね。もしかしたら、今後、TAMRONやSIGMAから150-600mmも出る可能性はありそうですし。

Canonの場合

 Canonについては、ミラーレスでいえば、EF-MマウントとRFマウントの2つを展開しています。EF-Mマウントの場合は、最望遠レンズで200mmなのであまり現実的ではありません。マウントアダプターでEFレンズを使うという選択肢もあるかもしれませんが、それはさらに本題から話を難しくしてしまうので、今回は避けたいと思います。

 一方のRFマウントは、2020年にR5やR6が発表されて盛り上がってきました。ただ、いずれもフルサイズ機なので、焦点距離的に厳しいのは否めません。その点、4500万画素のR5をAPS-Cクロップで撮影するというのが現実的になるのかもしれません。

 Canonもミラーレス機を実践で使ったことが無いので、雰囲気が分かりませんが、おそらく撮影は問題無いと思いますが、連写時のAFの追従性やEVFの遅延具合などは実際に使ってみないと何とも言えないですね。

 一方、レンズについては、マウントアダプター使用を考えなければ、100-500mmのほぼ一択でしょう。テレコンも使えますし。ただ、問題はお値段でしょうね。これ1本買うだけで、SONYだと200-600mmにAPS-Cのボディ買ったらお釣りが来ちゃいます。

OLYMPUSの場合

 オリンパスになるとマイクロフォーサーズ機になるので全体的にコンパクトになります。ボディは、E-M1 Mark.3が出ていますが、コストパフォーマンスを考えると、E-M1 Mark.2あたりが狙い目でしょう。

 一方で、オリンパスの望遠レンズって、40-150mm F2.8が有名なのですが、これだと80-300mmでちょっとサーキットでは短い。1.4倍テレコンが使えますが、それでも換算420mm程度なので、もう少し望遠が欲しいとなると、300mm F4だけど今度は単焦点になってしまう。これはこれで使い勝手が悪そうですね。

 で、2020年に、この100-400mmが発表されました。換算200-800mmなので、サーキット撮影にはもってこいじゃないでしょうか。特に、サーキットでも最小限の荷物構成で挑みたい人には、激アツなレンズじゃないでしょうか。OLYMPUSなら雨が降ってもヘッチャラだし。

1-4.Ke-Kun的オススメ機材

 そんな私が、「これから本格的にサーキット撮影を楽しみたい!」けど「オススメな機材は何?」と聞かれたら、紹介をするだろうセットはこちら。

 実は私自身もこの組み合わせで撮影したことあるんですよね。

 どうしてこの組み合わせかというと、一言で言えば、一番コストパフォーマンスがいいという点です。新品で購入しても20万円ちょっと。中古で購入すればもう少し安いでしょうからね。

 まず7D MarkⅡは、APS-C機でAFポイントが多くてAFも速い、連写性能もいい上に、何よりコスパがいい。実際、プロが結構使っていることも多いぐらいの機種なので、ほぼ間違いはありません。中途半端にKissシリーズや70D/80Dを買うのであれば、7Dm2がベストです。今や、90Dが登場したので、実質的に型落ちになってしまいましたが、マシン撮影がメインなら十分だと思います。中古だと美品でも8万円台で買えちゃいます。

 レンズはいろいろとありますが、何かとこの150-600mmが重宝します。正直、岡山国際サーキットをメインとする人であれば、400mm程度でもいいような気もします(持ち運びが全然違いますので…)。

 ただ、他のサーキットに行くと、400mmよりももうちょっと望遠のレンズが欲しくなりますからね。かといって単焦点レンズなんて、普通の人は買えるような値段ではありません。その点、この150-600mmはコスパがいいので、今やサーキットのスタンダードレンズになっていますから。

 過去には、50-500mmとか、150-500mmというのもありましたが、今はもう150-600mmがタムロンとシグマからそれぞれ出ていて、そちらに切り替わっている感じはしますね。また、サイズ的に150-600mmはちょっと…という方は、SIGMAから新しく出た100-400mmがオススメです。三脚座が無いですけど、その分、手持ちで撮るにはちょうどいいサイズだと思います。

ミラーレス入門はα6400×TAMRON 150-500mm or SIGMA 150-600mm

 いやいや、今更一眼レフになんて手を出せないですよという方に対してはオススメしたい組み合わせはこちら。

 ボディに関しては、α6400でぶっちゃけ大丈夫です。AFも十分ですし、連写もライブビュー8コマ/秒あれば十分狙えます。それと、何よりも「リアルタイムトラッキング」がメッチャ重宝します。むしろ、このトラッキングに慣れてしまうと、とても他のAFでは満足できない状況になると思います。

 強いて懸念事項として伝えておくとすれば、左隅に寄ったEVFファインダーが、構えた時に撮りにくさにつながらないかどうかという点と、手振れ補正にはあまり期待をしない方がいいということ。EVFの位置については、私的にはどうしても耐えられなかったです。また、手振れ補正についても、そもそもα6400はボディ内手振れ補正は搭載されていませんが、ボディ内手振れ補正が使えるα6600やα6500でもそれほど補正効果が高い訳ではないので、そこでステップアップするのはどうかな?と個人的には思います。

 一方で、レンズについては、これまで手ごろなSIGMA 100-400mmか、純正の200-600mmか…という選択肢でしたが、そこにTAMRONさんが150-500mmSIGMAさんが150-600mmを発表してきました。

 個人的には、APS-Cとはいえ500mm止まりというのが少し物足りない感じがあるので、出来れば150-600mmの方がいいかな?とは思いますが、いずれも実売が15-17万円程度でこの性能・クオリティなので、今後、サーキットでもよく目にするレンズになるのではないでしょうか。

本気で狙うなら、α9×SEL200600G

 ただ、SONY機で本気でサーキット撮影を極めていきたいのならオススメしたいのはこの組み合わせ。

 これはもう鉄板ですし、実際、この1-2年で一気に増えた印象があります。

 やはり、一番はα9の電子シャッター×ブラックアウトフリーの撮りやすさが大きいです。これを一度味わってしまうと、ぶっちゃけメカシャッターでの撮影に戻れなくなります。最近、他社でも同様の機能が増えてきていますが、フラッグシップ機でなければ搭載していないことが多いので、SONYはその点、コストパフォーマンスはいいです。

 α9自体、もう発売から年数が経過し、何なら新品販売はディスコンしてしまっていますが、電子シャッター系の性能でいえば、現役にα9IIと遜色はないので、中古という選択肢も悪くないと思います。

 一方で、レンズに関しては、もちろん先の150-500mmや150-600mmもいいですが、α9でフルサイズ運用をすることを考えれば、もう少し望遠が欲しくなるので、テレコンが使えるSONY純正レンズに歩があります。しかも、やはりインナーフォーカスで使い勝手が良いというメリットも大きいです。

 2.撮影場所編

2-1.サーキット選び

 カメラとレンズが用意できたら、とりあえずサーキットに足を運びましょう。というのも、サーキットでの撮影というのは結構特殊なので、経験値がモノを言います。そりゃぁ、高速道路とかで練習してもいいですが、どう見ても不審者ですからね。

 日本国内で主要なサーキットは、

 ・スポーツランドSUGO(宮城県)
 ・ツインリンクもてぎ(栃木県)
 ・富士スピードウェイ(静岡県)
 ・鈴鹿サーキット(三重県)
 ・岡山国際サーキット(岡山県)
 ・オートポリス(大分県)

 の6か所。ほかにも、十勝とか筑波とかありますが、大体はこの6つだと思います。一番有名なのはF1も開催される鈴鹿サーキット。また、富士スピードウェイも過去にはF1を開催していますし、最近はWECが開催されます。その次に有名なのは、MotoGPが開催されているもてぎでしょう。特にこの3つは、グランツーリスモなどのゲームにも収録されているので、知っている人も多いでしょう。

 あとの3か所はややマイナーですが、岡山国際サーキットは、昔は「TIサーキット英田」と呼ばれ、F1も過去に開催したサーキット。SUGOは、起伏に富んだレイアウトで、毎回レースが荒れることから、「魔物が住んでいる」と呼ばれています。また、オートポリスは、F1開催を目指して建設されたコースですが、結構面白いレイアウトのコースです。

 まずは、自分の家から近いサーキットを目指して行ってみることです。私の場合は、鳥取県東部在住なので、幸いにも、岡山国際サーキットまで鳥取市内からでも1時間半ほどの距離。米子に行くぐらいの気分なので、気軽に足が運べます。もちろん、日帰りの範囲なので、ちょっとお出かけ気分で十分いけますからね。

事前調査はしっかりしておこう

 私も初めて行く時がそうでしたが、初めてサーキットを訪れる時って、結構ドキドキするんですよね。独特の雰囲気があるし、暗黙のルールみたいなのもあるし、どうやって行く?、車どこに止める?、ホテルはどうする?とかとか…。

 で、ネット社会の昨今ですが、意外とそういった部分を紹介しているHPって少ないんですよね

 なので、私としては、毎回サーキットを訪れた時は、「撮影記」ということで、単純な撮影だけではなくて、いろいろと掲載をするようにしているんです。自分が見返すというのもあるけど、サーキットの雰囲気を知ってもらって、もっと気軽にサーキットに足を運んでもらうための手助けになれば…と思ってそうしています。

ちなみに鳥取からだと…

 ちなみに、鳥取から主要サーキットを考えるとこんな感じです。

岡山 鈴鹿 富士 オートポリス
距離 94km 303km 575km 646km
燃料費
(15km/L×140円/L)
3,500円
(94km×2×2)
6,000円
(303km×2+17km×2)
11,200円
(575km×2+25km×2)
13,000円
(646km×2+40km×2)
高速料金 490円 5,680円
(深夜 3,980円)
11,540円
(深夜 8,080円)
12,000円
(深夜 8,260円)
単純参戦コスト
[燃料+深夜高速+ホテル]
※ホテル8,000円で試算
4,500円
※宿泊無し
22,000円 35,500円 37,500円

 もちろん、この参戦コストに、さらにチケット代がかかりますからね…💦。

 改めてこうして比較してみると、うかつにオートポリスとか行けないなって思っちゃいますね。

2-2.撮影場所選び

 行くサーキットが決まったら、どこで撮影するのかを具体的に考えてみましょう。

まずは定番スポットを押さえてみる

 どのサーキットにおいても、定番スポットといわれるオーソドックスな撮影ポイントがあります。まずは、そこから撮影をしてみるというのが近道です。定番スポットって、それだけ画になるってことですし。

岡山国際サーキット

ヘアピンは速度が落ちるので、案外初心者でも狙いやすいポイント

マイクナイトコーナーは岡山国際屈指の中高速コーナー。
なかなか難易度は高いですが、上手く撮れると嬉しいポイントですね。

 岡山国際サーキットだと、1コーナースタンド・ヘアピン・マイクナイトコーナーといったあたりが有名です。

鈴鹿サーキット

鈴鹿のヘアピンはフェンスが低いので、最前列でもフェンスの上から撮影可能。

鈴鹿の2コーナーのこのポジションは、数少ないフェンスが気にならないポジション

 鈴鹿サーキットだと、2コーナーのフェンスの隙間、逆バンク、ヘアピンといったところでしょうか。

オートポリス

100Rはオフィシャルカメラマンとほぼ変わらないぐらいの位置から撮れる名所。
ただ、実際に撮影していると、マジで怖いです。

ブリッジ手前は激戦ポイントですが、撮れる画は格別ですよ。

 オートポリスだと、100R、ブリッジ手前、ファイナルコーナースタンドあたりでしょうね。

人が狙わないところであえて狙ってみる

 定番ポイントは、それはそれでいいのですが、どうしても規模の大きいレースなどになると混雑して、なかなか撮影の順番が来なかったりすることもあります。なので、ある程度慣れてくると、あまり他の人が狙わないところで、あえて狙うというのも面白かったりします。

超望遠レンズを持っていたら、2コーナーから向こう側のリボルバーを狙うなんて荒技も可能。

岡山の最終コーナーは条件がいいと、何処からでもフェンス越しで狙えたりします。

鈴鹿の最終コーナー立ち上がりは知る人ぞ知るポイント

オートポリスは隠れポイントは意外と多い。ここは、後半のノボリセクション。

 いずれにしても、できれば、事前にチェックしておくことをおススメします。というのも、走行時間は限られるので、その限られた時間でたくさん撮影しようと思ったら、事前に見つけておくのが良いでしょう。

 今の時代、インターネットで調べれば、いろいろな記事や写真が出てくるので、プロアマ問わず、いろんな写真を見る中から、「こういう写真が撮りたい!」というのを見つけて、それを事前にチェックしておくのがいいでしょう。Google Mapなんかも使うと便利ですしね。私もたまに他の人の写真を眺めては、背景とかを見ながら、「これは何処で撮影してるんだ?」って勉強することが良くあります。

 最近は、グランツーリスモSPORTの撮影機能を使って、模擬的に撮影をシミュレーションしてみるというのも面白いですよ。

2-3.フェンスの攻略

 サーキットでの撮影でクセモノとなるのが、何を隠そうフェンスです。正直、まだ岡山国際であれば、そこまで気にせずに撮影できなくもありませんが、鈴鹿や富士なんかだと二重フェンスのところもあって、なかなか大変です。

 無論、フェンス越しに撮影をすると、被写体の上にフェンスが被ってしまいます。これではいかんですよね。

 ただ、ここで「フェンス越しは無理」と思うと、かなり構図が限られてしまいます。なので、是非とも「どうやったらフェンスの存在を抑えられるのか」という方向に考えていきたいものです。

①できるだけレンズとフェンスの距離を短くする

 まずは、できるだけフェンスに近づいて撮影することで、フェンスをボカすことができます。

 岡山国際サーキットのヘアピン立ち上がりがまさにこれですよね。なので、かぶりつけれるのであれば、フェンスにかぶりついた方がいいです。ただ、寄りすぎると、流し撮りしながらフェンスにぶつかるんですよね。あれ、地味に恥ずかしいです。

 ちなみに、このポジション、兵は脚立を持参して、このフェンスの上から狙いますけどね。

②フェンスと被写体の距離を長く

 さらに、フェンスから被写体の距離を長くすることで、こちらもフェンスをボカしやすくなります

 鈴鹿の2コーナーは、フェンスが近いというのもありますが、そこから被写体までの距離が遠いので、案外フェンスがボカしやすいです。

③できるだけセンサーサイズは大きいカメラで

 これもボケの鉄則ですが、大きいセンサーサイズのカメラの方がボケやすいので、フェンスがボケやすくなります。

 ただ、これも先のレンズの話もあり、フルサイズにすると焦点距離が短くなるので、それはそれでなかなか大変です。なので、やっぱりAPS-Cってところでしょうね。

④より長い焦点距離を使う

 これもよく言われるところですね。結構、フェンスにかぶりついていても、100mm程度だと結構フェンスが写りこむときあるんですよね。なので、できるだけ長い焦点距離を使いましょう。

⑤できるだけ明るいレンズでF値を小さく

 そして最後は、これもボケの鉄則ですが、できるだけ明るいレンズで撮影すること。ただ、これにはレンズの開放F値という物理的な限界があるのと、シャッター速度を遅くするのに絞らないといけない…という露出的な問題もあります。

 まず、明るいレンズ、しかも望遠レンズで…となるとかなり金額が張ります。70-200mm F2.8なら、サードパーティー製であれば、10万円前後から買えますが、300mm F2.8クラスになると数十万レベルになります。なので、明るいレンズといっても金銭的な限界がありそうです。

サーキットでは、見方によれば高級レンズの品評会になることも…

⑥フェンスが白光りしていないこと

 ここからが応用編というか上級者編になってきます。実際にフェンス越しの撮影をするとよく分かるのですが、フェンスに順光で光が当たっていて、白く光っている状態はものすごく写り込みやすくなります。これは、何気に次に出てくる明暗差とも直結しているように思います。

 なので、一番理想的なのは、フェンスがある位置が日陰になっていて白く光っていないことです。

 岡山国際サーキットのマイクナイト~最終コーナーあたりは、南側に山があるので、季節と時間帯によってはフェンスが日陰になることもあるので、そこを狙うと案外いいと思います。場合によっては、こういうフェンスの柱部分の影でフェンスが部分的に陰ってくることも。

 そうすると、こんな感じでほとんどフェンスなんて気にならない感じに撮れちゃうんですよ。

 逆の悪いパターン(失敗作)がこちら。鈴鹿サーキットの2コーナーの立ち上がりなのですが、ここはフェンスにかぶりついて撮影出来るので、フェンスは消せるのかと思いきや…

 全体的に緑かぶりしていることが分ると思います。フェンスに直接光が当たるとこうなっちゃうんですよね。そういった意味では、晴れた日よりも曇りや雨の日の方がフェンスをごまかせるんですよね。

⑦マシンとフェンスに明暗差があること

 これ、最近になって特に感じるようになったことなのですが、曇りや雨の日など、フェンスに直射日光があたっておらず、フェンスが白く光っていない日でも映り込みが気になる時があります。あれこれ試してみると、晴れ間が出てきて、コース上が明るくなると映り込みが減るので、どうやらマシンのところは明るく、フェンスのところは暗くなり、出来るだけ明暗差が生まれた方がフェンスは消しやすいようです。

 例えば、同じ場所から撮影したほとんど同じ構図(同じ日の同じ場所)の写真なのですが、

 コースに直射日光が当たっているときは、フェンスの存在が余り気にならず、クリアに映っています。

 日が陰ってコースに直射日光が当たらなくなると、ちょっとくすんだ感じで、「あっ、フェンス越しなのかな?」って感じがしてくると思います。こんな違いが出てくるんです。

 なので、実は曇天の日よりも、好天なんだけどフェンスのところだけは影っているというのが一番理想的のようです。こういう条件だと、「こんな所でも大丈夫なの?」というポジションでもいい感じに撮れてしまいます。

岡山国際は、撮影窓の攻略がカギ!!

 普通、サーキットでの撮影というのは、フェンスの上から撮影するのが基本なのですが、岡山国際サーキットは撮影窓が随所に設置されているので、うまくやるとうまく撮れるというのがコツですね。

岡山国際は、随所にこういうフェンスに窓のような撮影窓が設置されています。

ただし、岡山国際サーキットは、フェンスから2mほどのところに
立ち入り禁止のバリケードみたいなのがあるので、
フェンスにかぶりつけれないところがあります。

 ただ、こういう撮影窓の難しいのは、いい画が撮れるのって、本当に数人なんですよね。例外的なのがマイクナイトぐらいで、どうしてもいい画が撮りたかったら、場所取りが必要なんですよね。

意外といろんなところにある撮影窓

 これも岡山国際ですが、たまに緊急的な撮影窓があって、普段は緑のネットがかけられ、撮影するときにだけ捲るという撮影窓があったりします。かといって、自分では捲れませんのでご注意を。

 ただ、もしネットがかけられたままだったとしても、RAW現像時に緑かぶりの補正をしてやれば案外いけたりします

岡山国際攻略の必須アイテム!折りたたみ椅子!!

 もう1点、岡山の撮影窓攻略に重要なのがコレ!。

 そう、折りたたみ椅子(踏み台)です。どうして、これが岡山国際の攻略に重要かというと、この撮影窓って、しゃがんでちょうどいいぐらいの高さに設置してあり、これをしゃがんだまま撮影するのって、本当シンドいんです。なので、ホント、この折りたたみ椅子が重要です。これがあると、普通は撮影を諦めるようなところで、ドンドン撮れますからね。まぁ、もちろん荷物にはなりますけどね。

 ちなみに、最近気にするようにしているのが椅子の高さ。あれこれと物色をしていると、この手の踏み台の高さって、少なくとも3種類あるのですが、それぞれ岡山国際サーキットだけでも、低い方がいいところ、高いところがいいところと、撮影窓によって求められる高さがいろいろなんです。

 それで、最近使ってみたのが、こちらの折りたたみ式の椅子

 元々はYouTubeの動画で知って、面白そうだと思って購入をしたのですが、これが案外いいです。

 見た目的には結構ひ弱そうに見えますが、思いのほか頑丈です。

 そして何より、岡山国際サーキットのように、「どの高さの椅子がいいのか?」悩むところで、コレだとちょっと微調整は難しいですが、それでも低くも高くも出来るので結構便利です。

 安くは無いので、場所取りに置いておくとか、ピットウォーク中にその辺に置いておくにはいささか心配なところもありますが、マシン撮影メインの時なんかは活躍してくれそうです。

背景をちょっと気にしてみる

 私が、撮影ポイントを決める上で気にしているのは、実は背景です。

 この写真、どう思いますか?。私個人としては、何だか物足りなさを感じます。つまり、被写体であるマシンは問題ないのですが、背景がとても味気ないんです。特に、こういう背景の多くがアスファルトになってしまう構図というのは、基本的には避けるようにしています。なので、縁石とか、タイヤウォールとか、看板とか、そういうものを入れたくなります。

 特に流し撮りとなると、こういった周りのものを入れないと全く流している感じがしてこないので非常に重要です。

 3.設定編

3-1.シャッター速度と絞り

シャッター速度

 マシンを撮る場合に、やり方としてはパシッと止めて撮るか、いわゆる流し撮りをやるのかで大きく設定が異なってきます。

パシッと止めて撮る場合

 撮るのが簡単なのはこちらです。設定としては、シャッター速度を上げて撮影します。シャッター速度は速ければ速いほど、パシッと止まって写りますが、あまり止まったように移してしまうと、写真に動きが無い感じになります。なので、最低どもマシンのホイールが多少はブレるぐらいを目安にして、画角や速度にもよりますが、1/200s~1/300sあたりを目安にしながら、車の動きに合わせカメラを動かした方が良いでしょう。

岡山の中でも車速の遅いホッブスコーナーで、1/250sで撮るとこんな感じ。

流し撮りをする場合

1/100sだとこんな感じ。いいじゃないですか!。

 これが意外と難しいです。こちらは、シャッター速度を下げつつ、カメラを車を動きとあわせて撮影することで、マシンはパシッと写しつつ、背景はブレさせるという手法になります。この時、基本的には手振れ補正機能をオフにするのが一般的です。最近は、流し撮りに対応した手振れ補正対応の機種やレンズも出ていますが、真横や真縦に流すのは良くても、斜めに流すと誤作動が起きて、逆に映るが悪くなるものもあるので、そのあたりは試してみるのがいいと思います。

 もちろん、シャッター速度をどんどん遅くしていくと、背景どんどん流れていい感じの写真になっていきます。とりあえず、SUPER GTだと1/160sあたり、SUPER FORMULAだと1/200sあたりから徐々に遅くしていくのが、とりあえず目安だと思います。こればっかりは、コツというよりも、経験を積んでいくしかないので、失敗を恐れずにドンドン撮ってみましょう。

これで1/60s。鈴鹿サーキットのヘアピンの立ち上がりです。

 まずは、真横のカットの流し撮りから始めると上手くいきやすいかな。それから、徐々にコーナーでの流し撮りにチャレンジするのがいいと私は思います。

シャッター速度は遅いほど、ピントの合う範囲が狭くなる!?

 実は、このあたりが実際に撮影を重ねていかないと分からないところですが、下の2枚の写真を見ていただきましょう。

 この2枚を見て、違いが分かりますか?。同じMOTULのマシンで、ほぼほぼマシンの位置も同じ、シャッター速度も同じなのですが、上の写真はマシン中央部(ドアの部分)がブレずに見えていますし、下の写真はフロント部分がブレずに見えています。

 これ、意外と難しくて、シャッター速度を遅くすれば遅くするほど、ブレない部分の面積が小さくなるんですよね。だから、逆に車体全体をピントを合わせようと思うと、シャッター速度を速くしないといけない。ただそうすると、流し撮り感が台無しになるんですよね。

 どうしてこういうことが起きるのかというと、詳しくはこちらで「成功ブレ」という表現で紹介されているが、要は、撮る側がきちんとマシンと同調して流したとしても、車自体がわずかながら回転運動をしているので、否応でもブレてしまうみたいです。

 その同調がマシン前方と同調するのか、マシン横と同調するのかで、微妙にピントが合う位置がズレてくる。基本的には、マシン前面にピンとが来るのが一般的なので、このあたりもなかなかやっていくうちにハマる流し撮りの難しいところですよね。

NDフィルターの必要性

地味に重要なNDフィルター

 そのため、「明るいレンズ」ということも大切ですが、「あまり絞り過ぎない」ということの方がむしろ大事な気がします。どうしても「流したい」と思って、スローシャッター気味になっていくと、その分絞ってしまい、暗くなってしまいます。なので、そのあたりを気にしながら、ND 4やND 8のフィルターを使いながら、露光量を調整する必要があります

流し撮りにはNDフィルター必須ですね。

 個人的には、サーキットでのレンズの付け替えって結構億劫になりやすいので、ちょっと暗いぐらいにしておいて、あとはISO感度で調整をした方が楽だとは思います。

3-2.AF設定

AFモード

 これはもう、誰が言うまでも無くコンティニュアスAFですよね。SONYやNikonならAF-C、キャノンならAIサーボっていうやつです。シャッターボタンを半押ししている間は、AFが追従するので動きものを狙う時の鉄則です。

AFエリアモード

 意外に重要なのがこちらです。皆さんは何で撮影していることが多いですかね?。

 最近のカメラは測距点が広くなったし、AFの性能が良くなったので、ワイドでも撮れるかもしれませんが、ある程度撮影に慣れてくると、「こういう構図で撮影したい」と思って撮ることになるので、そうなると自ずとAFポイントも決まってくるんですよね。

 なので、任意のポイントにAFを設定するようになります。この時、1点のスポットでやってもいいのですが、オススメは1点+その周りの8点を活用する拡張フレキシブルスポットが慣れてくるとやりやすいです。

リアルタイムトラッキングは十分に使える!

 α6400から登場をした「リアルタイムトラッキング」。コイツが、実によく使えます。

 本当はキチンと動画で撮影したものをお見せしたいのですが、いかんせん、SONY機はディスプレイ表示の内容をHDMI出力をすると、EVFに何も表示されなくなるので、モニターのみでの撮影になるので、どうしてもこういうサーキット撮影の様子を紹介するのに向いてないんですよね…。

 なので、こういう紹介で大変申し訳ないですが、実際はかなり実用的にリアルタイムトラッキングが使えます。私の場合、先の「トラッキング:拡張フレキシブルスポット」を使って、フロントノーズに合わせて半押しして、あとはカメラ任せで…というのが、2019年のスタンダードになってしまいました。

 何か、手抜きのようにも思えるかもしれませんが、これを一度味わってしまうと、もう戻れ無くなっちゃいますよ。

3-3.AE設定

 実は当初はあまり気にせずに撮影をしていたのがコレです。

 というのも、露出って18%グレーがベースになるので、単純にアスファルトだとやや明るめに撮れてしまいます。なので、-1/3EVぐらいマイナス補正で撮影するのがオススメです。

 まあ、このあたりはそんなに問題はないのですが、厄介なのがマシンのカラーリング。当たり前ですが、白いマシンは暗くなりやすく、また黒いマシンは明るくなりやすい。なので、何も気にせずに撮影すると、マシンのカラーリングによってアスファルトの明るさがバラバラになっているってこともよくあります。さらに、SUPER GTやS耐のように箱車のレースになると、ヘッドライトを照らしていることも多く、その光が正面から入ると露出が狂うこともよくあります

 そのため、最近、私はAEロックを使用するようになりました。つまり、マシンが走っていないアスファルトだけの状態で一度AEをロックして、それで撮影をするというもの。これをしておくと、露出は完全にロックされているので、どんなマシンが来たとしても明るさは一律になるわけです。「それならマニュアルモードでいいんじゃない?」という声もあるかもしれませんが、それはそれで慣れが必要ですからね。

 そんなこともあり、私はAEロックをボタンに割り当てています。

3-4.一脚

 サーキットに足を運ぶと、やたらと一脚を持参している人を目にします。

 そもそも、どうして一脚を使うのか。これには大きく2つ理由があります。

 1つは、重い望遠レンズを常に持ったまま撮影していると、1日撮影しているだけで腕の疲労がかなりきてしまい、最後はプルプルし始めます。その腕への負担を軽減するというのが1つあります。

 さらに、もう1つの理由は撮影ポジションを安定させるため。特にコーナーの立ち上がりとか、構図を決めて撮影する場合に、手持ちでその構図をキープするのってなかなか大変ですからね。

 ただ、他の観光地とか撮影地に行っても、三脚は目にすることがあっても、一脚なんてほとんど見ないんですけどね。それは、1つはサーキットは撮影場所が狭く限られるので、他の人に邪魔にならないように三脚は使わないという暗黙のルールがあること。そして、あちこち移動することが多いので、その移動性を考慮してのことだと思います。

本当に一脚は使った方がいいのか?

 個人的な見解からすれば、300mm程度のそこそこのレンズであれば、手持ちの方が撮りやすいです。

 実は、私はサーキット撮影を始めて数回目の時に、一度一脚を使ってみて断念した経験があります

 それはなぜかというと、手持ち撮影に慣れてから一脚を使うと、マシンに合わせてカメラを動かすのが意外と難しいからです。一脚は、地面に設置している点を軸にカメラを動かしますが、これがなかなか思ったように(というか、マシンと同期させて)動かすのが難しいです。なので、一度試したっきりで、しばらく一脚はお眠り状態でした。

実は一脚の利用率って、2割ぐらいのもんだと思うんですよね…

 ただ、それが再び一脚を使おうかなぁと思うようになったのは、どんどんスローシャッターでの流し撮りを取り始めたとき。1/100sとかそれぐらいなら手持ちで撮れなくはないのですが、それ以下で撮ろうと思うと、不要な縦ブレを抑える一脚撮影の方が撮りやすいのです。ただし、個人的にはどうしてもボディに一脚を取り付けるというのが撮りにくいので、レンズに三脚座の付いている70-400mmを導入したのをキッカケに一脚を使うようになりました。

 もちろん、今でもちょと撮影するときなんかは手持ちで撮影するケースもありますし、場合によってはそちらの方が歩留まりがいいケースもあります。ただ、撮影穴に合わせて撮影したり、構図を決めて撮影する場合は、構図キープが必要なので、そうなると一脚を使います。なので、あまり「一脚ありき」ではなく、自分の撮りやすい方法を見つけて頂きたいと思います。

雲台は使うべき?

 また、以前は一脚を直接カメラの三脚穴に付けていましたが、最近は自由雲台をかませるようになりました。

 私が今使っているのはアルカスイス互換のSIRUIの自由雲台

 これは、1つには、クイックシューを使いたいという面もありますが、流し撮りをする際には、撮影をするシチュエーションや構図によって、微調整をした方が撮影しやすい場面が多いので、荷物にはなりますがそのようにしています。ただ、正直、このあたりも好みですので、自分の好きな方でいいと思います。

 たまに、自由雲台を使っていて、固定をせずに首がグラグラのまま撮影している人をサーキットで目にしますが、あれは逆に撮影しにくいと思うんだけどなぁ…。

 ちなみに、以前はSLIKのクイックシューを使っていましたが、最近はもっぱらこのアルカスイス互換のシューを使っています。実は、普通のクイックシューって取り外しは簡単なのですがガタが結構あるんですよね。これが、結構撮影に影響するので、私はアルカスイスにしています。

 4.その他

4-1.雨対策

 これって、「当たり前だろ!」と思うかもしれないのですが、自称雨男の私ですが、2014年までにサーキットに行ったときって、結局あんまり雨降らなかったんですよね。降ったとしても、途中でパラパラ程度で、その時には避難して…って感じでした。

 それが、2015年になってから、鈴鹿SF公式テストが小雨、SGT岡山戦が雨、鈴鹿1000km2日目が雨、S耐岡山戦の2日目が雨と、結構雨に泣かされています。

2015.04 SUPER GT岡山戦は雨模様…

2015.08 SUPER GT鈴鹿1000kmも決勝日は雨模様…

2015.09 S耐岡山戦決勝日は激しい雨…

 近くにサーキットがあったりして、「雨が降るから止めよう」なんて決めれる場合はいいのですが、大概の場合はそんなことは言えません。しかも、前日まで販売している前売り券ならまだいいですが、パドックパスなんかだと、前売りは1週間前までとかってのもありますからね。

 そういったときに、どうやって雨を乗り切るのかが大切になってきます。

 まず、サーキットでは基本的には傘禁止という面があります。もちろん、全面禁止という訳ではありませんが、スタンド席やグリッド上などでは係員から「傘は閉じてください」と言われるケースがあります。また、そもそも傘を差しながら撮影ってのも姿勢的に大変ですからね。なので、ほとんどの方は、カッパやレインコート、ポンチョを着ているケースが多いです。カッパやレインコートのいいところは、防水性が良いということ。ポンチョだと、どうしても足元が濡れてしまうケースも多いので、人によってはカッパズボン+ポンチョという人もいます。

 逆に、ポンチョのいいところは、余裕があるので、カメラバッグを背負った上からポンチョを着ることができるということ。最近のカメラバッグはレインカバーが付属しているものが多いですが、背中面はカバーがないってのも多いです。そういった点では、ポンチョの方が安心かもしれません。

 あと、地味に大事なのが足元。意外とポンチョやカッパは持ってきたのに、足元は靴のままで足元がグチョグチョっていうケースもあります。この点も、人によってはちゃんと長靴を履いている人もいます。

カメラの防水対策

 さらに、人の体以上(!?)に大事なのが、カメラです。カメラは電子機器なので水は大敵!!。雨のサーキットでカメラが壊れた…というケースが意外と少なくないようです。

 そのため、雨が降ると、多くのカメラマンはカメラ用のレインカバーを使用します。ただ、このレインカバー、いろんな種類があるので一度、いろいろと調べてみた方がいいと思います。

 一方で、ごみ袋などを活用して緊急的なレインカバーとして使用している強者も結構います。これのいいところは、フラッシュなんかも考慮して、そのまま覆えるということですよね。

 ただ、度々サーキットに足を運ぶ人なら、1つは持ってはおきたいアイテムですよね。また、ちょっとした雨なら、タオルをカメラの上にかけて乗り切るという方法もあったりします。

 むしろ、最近気になるのは、ミラーレス機にちょうどいいレインカバーがないかなぁというところなんですよね。

 最近は、VANGUARDのレインカバーを使ってます。これは、200600Gで使っている様子ですが、ちょうどいい感じです。むしろ、ピットウォークやグリッドウォークの場合は、余程の大雨で無い限り、ギリギリまでポンチョの中に隠しておいて、撮影中はノーガードで挑むことが多いです。

気にして欲しい保護フィルターの撥水性能

 こういう雨の時にレインカバーで対応していても、どうしても濡れてしまうのは、レンズの部分です。さすがに、ここはカバーを付けることはできませんからね…。

 その時に、問題になるのは、レンズの撥水性能です。レンズといっても、実際には保護フィルターを付けていることが多いので、実際は保護フィルターの撥水性能です。

 不思議なことに、このカメラ業界において、数ある保護フィルターの中で、Kenkoの「Pro1 Digital」というのが、スタンダードと言われるぐらいよく目にします。ただ、実はこのPro1Dは、撥水コートの処理がされておらず、撥水性能を期待したいのなら、もう1ランク上の保護フィルターを選ぶ必要があると思っていました。

 ただ、ふと気付いたときに、Kenkoと並んでシェアの高いMARUMIさんの「DHGスーパーレンズプロテクター」がPro1Dと比較して安いのにもかかわらず、撥水・防汚コーティングが施されているんですよね。なので、雨でも水滴が付きにくいし、汚れにくい。さらに、このコーティングのお陰で、フィルターの掃除もしやすいです。

 おかげで、今ではサーキットで使う期待の多いレンズから順次、MARUMIさんの保護プロテクターに切り換えています。

防塵・防滴のうらやましさ

 とはいっても、カメラにレインカバーを被せていたりしても、濡れた手などで触っているとカメラが濡れてきますし、突然な雨となると結構ヒヤヒヤします。

 そうなってくると、羨ましいのが防塵・防滴のカメラです。

 もちろん、本格的にレジャーなどで使える防塵・防滴のカメラもありますが、ここで言うのは、デジイチでありながら防塵・防滴という機種。ただ、ここで問題なのは、カメラは防滴でもレンズが防滴ではないというケースって意外とあります。また、メーカーによって、オリンパスのように「防塵防滴です」「雨の中で使っても大丈夫!」と堂々とうたっているメーカーもあれば、SONYのように「防塵・防滴に配慮をした設計です」という何とも弱腰な表現のメーカーもあります。

 とはいえ、少なからず防滴と知っているだけでも、気分が違うのではないでしょうか。なので、一度、自分の機材がどこまで防滴性能を持っているのかというところは知っておくといいと思います。

 そういった意味では、やはりOLYMPUSのOM-D E-M1系/E-M5系の防滴性能はうらやましいんだよなぁ。

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